被災者のニーズに応え 初動の救援活動を展開 – リポート 災救隊第1次隊「令和8年熊本地震」
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熊本県内の広い範囲で甚大な被害をもたらした「令和8年熊本地震」。被害の比較的少ない熊本市内から、最大震度7を観測した宇土市や氷川町、最大震度6強の八代市方面へ向かうと、道路には地割れや段差が見られるとともに、住宅地では損壊した家屋が点在する。橋梁の損壊も相次ぎ、通行止めの看板が各所に立てかけられていた。
熊本県内では最高気温40度を超える「酷暑日」が観測されるなど、厳しい暑さが続く。また、損壊した住宅や施設では台風などによる二次被害も懸念されるなか、復旧に向けて懸命な救援活動が進められている。
8月6日午後、災救隊が宿営地を構えた八代市振興センター坂本に、本部隊をはじめ熊本教区隊(川﨑一保隊長)、福岡教区隊(内田孝雄隊長)、大分教区隊(千原松太郎隊長)から成る第1次隊の隊員が集合し、結隊式を行った。
これに先立つ3日、八代市災害ボランティアセンターが開設。6日時点では被害状況の把握に専念していたため、第1次隊は、行政機関や現地で救援活動に従事していたNPO法人と緊密に連携を取りながらニーズを共有し、翌7日から復旧作業に取りかかった。
断水が続く地域で給水支援
8月7日午前7時半、車に機材を積み込んだ福岡教区隊の隊員たちが八代市古閑中町にある被災民家へ。
現場の一つ、70代女性が一人で暮らす民家では、地震の強い揺れにより家屋周辺のブロック塀が倒壊していた。
家主の女性によると、地震発生当時は夕食の支度をしていたところ、激しい揺れの影響で左腕を強く打って負傷したという。「揺れが収まったときには、数分前の状態とは違い、家中に食器や家具が散乱していた。10年前にも大地震を経験したが、今回は、それとは比べものにならないくらい恐怖を感じた」と振り返る。
隊員たちは、ハンマードリルや大ハンマーを駆使して、ブロック塀を手際よく解体。解体後のブロックは、細い敷地内をリレー形式で運び出し、3トンダンプ2台で集積場へ運んだ。
家主の女性は「屋内の片付けだけで手がいっぱいで、外のブロック塀の処理に困り果てていた。そんななか、災救隊の皆さんが短時間できれいに撤去してくださり、本当に感謝している」と述べた。
翌8日、大分教区隊の隊員たちは同市鏡町で給水活動を実施。同町は地震発生から2週間が経っても広域で断水が続いていた。
「給水車が到着しました。水にお困りの方は、いらっしゃいませんか」
現場の一つ、町内の団地に到着した隊員が給水車の到着を大声で告げると、ポリタンクやペットボトルを両手に持った住民が次々と集まってくる。容器に飲料水を入れ終えると、隊員が運搬の手伝いを申し出て、団地の上層階にある部屋まで届けていく。
住民の一人、50代女性は「断水生活が続き、水がいつ尽きるか分からない。不安が募るなか、飲料水を届けてくださり、本当に助かっている。重たい水を、嫌な顔一つせず運んでくださる隊員さんの姿に元気をもらった」と頭を下げる。
また、避難所が開設されている鏡小学校では、同教区隊の隊員が校舎内に設置された仮設シャワーの運用管理支援に携わったほか、熊本教区隊が市内の被災民家で家屋内の整理などに力を尽くした。
地震発生当初から被災地域の被害状況の把握に努めるとともに、災救隊の宿営地の設置などに協力した、熊本県議会議員の亀田英雄さんは「未曾有の災害から間がなく、行政の支援が隅々まで届かないなか、災救隊の皆さんが日ごろの訓練で培った技術と豊富な機材を駆使し、個人のボランティアではなかなか対応できない作業に当たってくださり、心から感謝している。また、自前で給水車を用意し、飲料水を毎日届けていただき、住民から感謝の声を聞いている。今後も、ぜひ力をお貸しいただければ」と述べた。
災救隊の冨松基成本部長は「被災地の皆さんが一日でも早く安心して元の生活に戻れるように、『いま何ができるか』を常に考え、迅速に初動の救援活動に取り組んでいる。今後も、相手の心に寄り添う“災救隊らしさ”を発揮しながら、さまざまな現場のニーズに合わせた救援活動を展開していきたい」と話した。
第1次隊は、6日から9日にかけて延べ194人が出動。16軒の被災現場で救援活動に従事し、14トンの飲料水を提供した。
2次隊以降も被災家屋へ
第2次隊(8月9~12日)からは、8月10日に一般ボランティアの受け入れを開始した八代市災害ボランティアセンターを通じて、被災民家などでの復旧支援を続けている。
第2次隊は、本部隊をはじめ、熊本、長崎、佐賀の3教区隊の延べ152人が八代、宇城の両市へ。給水活動や避難所に設置された仮設シャワーの運用管理支援のほか、被災家屋のブロック塀の解体や災害廃棄物の搬出に尽力した。
第3次隊(12~15日)は、本部隊のほか、熊本、宮崎の両教区隊と、青年会本部委員・同部員らから成る青年会隊の延べ151人が八代市へ出動。飲料水約8トンを給水したほか、民家16軒のブロック塀の解体と搬出、災害廃棄物の運搬などに従事した。
15日から18日にかけて出動した第4次隊(本部隊をはじめ、熊本、鹿児島、山口の3教区隊)の延べ146人も八代市などで救援活動を展開した。
なお、本部隊をはじめ、熊本、広島、愛媛の3教区隊から成る第5次隊が18日から21日にかけて同市へ出動したのち、28日から引き続き第6次隊が出動する予定だ。
(8月18日記)
文=久保加津真/写真=茶谷堅
教会関係の被害状況(8月18日現在)
天理教災害対策委員会(山本道朗委員長)が把握している、「令和8年熊本地震」による教会、布教所の被害状況は以下の通り。
熊本教区……神殿および教職舎の全壊3カ所、同大規模半壊3カ所、同半壊1カ所、同一部損壊13カ所
計20カ所










