“旬風”に乗り 夏の甲子園4強 – 天理高校野球部
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「守り勝つ野球」大舞台で体現
前号既報の通り、天理高校野球部は2年連続で「全国高校野球選手権大会」に出場した。「旬風」をスローガンに掲げた同部は、初戦から投打がかみ合い、快勝して“旬風”に乗り、トーナメントを勝ち上がっていく。準決勝で高崎健康福祉大学高崎高校(群馬)と対戦し、0‐1で惜しくも敗れたものの、平成27年以来、9年ぶりの4強入りを果たした。ここでは、今年のチームのテーマである「守り勝つ野球」を大舞台で体現した天理ナインの“躍進の軌跡”を紹介する。
2年連続31回目となる夏の甲子園の土を踏んだ天理高校野球部。県大会では、エースの長尾亮大投手(3年)ら万全の投手陣を中心に、5試合で2失点、4失策と「守り勝つ野球」を実践。打撃面では、金本相有主将(同)ら5選手が打率5割以上を記録した。
投手陣 完投・完封で堅守に貢献
打撃陣 ビッグイニングをつくる
夏の甲子園は8月5日、開幕。天理高校の初戦は大会6日目、初出場の福山高校(広島)と対戦した。
先発は長尾投手。入部当時のポジションはキャッチャーだったが、藤原忠理監督(61歳)の目に留まり、投手へと転向。昨夏の甲子園でも、1回戦でリリーフとしてマウンドを経験した。
この夏、ひと回りもふた回りも成長したエースは初回から2三振を奪う好調な立ち上がりを見せる。
四回表、金本主将が先制の本塁打を放ち、チームに勢いをつける。六回表には大塚弘登選手(同)のタイムリーヒットを皮切りに、一挙4得点の猛攻を見せ、5‐0とリードを広げる。
一方、長尾投手は7安打2失点、13奪三振で完投。7‐2で勝利し、天理高校は史上4校目となる夏の甲子園通算50勝を達成した。
続く3回戦は、好投手を擁する高川学園高校(山口)と対戦した。
一回裏、高川学園が先制。四回裏、五回裏にも追加点を許す。天理打線は、得点圏にランナーを進めるも、無得点が続く。
五回終了後、暑さ対策のための8分間のクーリングタイム。3点リードを許す状況で、藤原監督は「絶対にビッグイニングをつくれる」と選手たちを鼓舞した。
直後の六回表の攻撃。クリーンアップの3連打で1点を返すと、四球などで得点を重ね、続く山中喜晴選手(同)の犠牲フライで、4‐3と勝ち越しに成功する。
さらに、八回表には山中選手がダメ押しの2点タイムリーツーベースヒットを放ち、6‐3で勝利。長尾投手はこの試合も完投し、2試合連続の二桁奪三振を記録した。
8強入りした天理高校は、履正社高校(大阪)を破って勢いに乗る三重高校と準々決勝で対戦した。
二回表、先頭打者の金本主将が甲子園2本目となるホームランを放って先制点を挙げると、四回、八回にも得点を重ねていく。
先発は、今大会初登板の左腕・橋本桜佑投手(同)。毎回のようにランナーを出すものの、好守に支えられながら154球の熱投で完封。7‐0で勝利し、準決勝進出を決めた。
試合後、藤原監督は野球部のスローガン「旬風」になぞらえ、「天理に“旬の風”が吹いているような雰囲気があり、安心して見ていた」と橋本投手の力投を喜んだ。
「ワッショイ」の掛け声響くなか
最後まで諦めないプレー続け
迎えた大一番。勝てば36年ぶりの決勝進出となる、高崎健康福祉大学高崎高校との準決勝が始まった。
初回、長尾投手が登板するなか、相手クリーンアップの連打で先制点を許す。しかし、2回以降はランナーを出しながらも追加点を許さず、粘りのピッチングでチームの反撃を待つ。
四回裏の守備時には、長尾投手の二塁牽制のセーフ判定に、今大会から導入されたビデオ検証を申請。動画検証の結果、アウトとなり、ピンチを防いだ。
天理打線は、相手の先発投手を打ちあぐね、八回裏までわずか2安打に抑え込まれる。そして、0‐1で迎えた最終回、中西琉威選手(同)がヒットで出塁すると、送りバントで得点圏にランナーを進める。相手チームは継投策に入るなか、続く永井仁之丞選手(2年)が気迫の内野安打で2アウト一、三塁に。
天理高校側のアルプススタンドからは、今大会中も何度も甲子園に響かせた、天理の野球応援曲の代名詞である「ワッショイ」の掛け声が響く。ここで、大会2本塁打の金本主将に打席が回ると、落ち着いて四球を選んで満塁。その後も天理ナインは諦めないプレーを続けたが、最後は空振り三振でゲームセット。0‐1で惜しくも敗れたが、両チームの健闘を称える大きな拍手と歓声が送られた。
藤原監督は「この夏、ベンチとスタンドが心一つに戦い、また、徳積みの大切さなども学んでくれた。それが一つの力となって準決勝まで戦えたことは、チームにとって大きな財産になっただろう」と選手たちを称えた。
金本主将は「新チームがスタートしたときのことを思うと、ここまで来る力をつけることができたことに喜びを感じる。一方、『日本一』の目標は、応援してくださる天理の方をはじめ、多くの人たちの思いを持って掲げていたので、負けてしまい悔しい」と語った。
なお、今大会の結果を受け、天理高校野球部は10月3日から6日まで青森県弘前市運動公園野球場で開かれる「国民スポーツ大会」高校野球競技硬式の部に出場する。
日ごろからひのきしん心がけ
宿舎でも徳積みを実践して
大会翌日、甲子園を後にした天理高校野球部は、親里に到着後、本部神殿に参拝。監督・選手らが、お礼のおつとめを勤めた。
部員たちは、日ごろから報恩感謝のひのきしんを心がけてきた。練習の前などにグラウンド周辺を掃除するほか、練習場への移動中にも個々でごみ拾いを続けている。
大会期間中も、部員たちは宿舎に滞在するなか、「日ごろからやっているので、同じことを続けよう」(金本主将)と、宿舎の周辺でそろって毎日のごみ拾いに励んだ。
藤原監督も常日ごろ、徳積みの大切さを伝えてきたという。
また、今年の「こどもおぢばがえり」では、県大会決勝の翌日からひのきしんに加わり、各行事会場で喜びの汗を流した天理ナイン。学校が夏休みに入ってからも本部神殿に毎日足を運び、全員で本部夕づとめに参拝するなどして、甲子園開幕までの期間を過ごした。
笠井要一部長(41歳)は「信条教育を通じて、こうした活動が習慣づけられることに、彼らがお道の学校で学ぶ意義があるように思う」と話している。
なお、同部がごみ拾いを心がけている話題は、大会期間中、一般紙でも報じられた。















