被災地での救援活動に区切り – 災救隊「令和8年熊本地震」
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51日間で全13次隊 延べ2,084人が実動
7月28日に発生した「令和8年熊本地震」から2カ月が経過した。各所で甚大な被害に見舞われた熊本県では、一部運休が続いていた九州新幹線が全線再開し、最大約10万8,000戸で発生していた上水道の断水が解消されるなど、復旧に向けた動きが加速している。こうしたなか、8月2日から熊本県八代市などで救援活動を展開してきた災害救援ひのきしん隊(=災救隊、冨松基成本部長)本部隊は、9月21日をもって出動態勢に区切りをつけた。この間、51日間で全13次隊、延べ2,084人が実動。最終日には、八代市振興センター坂本で解隊式が行われた。
7月28日午後4時27分ごろ、熊本県内で最大震度7の地震を観測。その後も震度5弱を6回観測するなど強い揺れが相次ぎ、地震に起因すると思われる工場や商業施設の大規模な事故が発生した。死者は38人に上ったほか、建物の全・半壊などの被害は約9,700棟に及び、最大約10万8,000戸が断水に見舞われた。
地震発生から間もなく、天理教災害対策委員会(山本道朗委員長)は情報収集に当たり、30日午前、災救隊の冨松本部長が現地入り。熊本教区(小森正一教区長)管内を視察し、教内関係各所をはじめ被害状況の把握に努めた。
こうしたなか、熊本教区隊(川﨑一保隊長)が8月2日から5日にかけて、広範囲の断水に見舞われた八代市と氷川町へ出動。初動の救援活動として災救隊本部から借用した給水車2台をフル稼働し、被災住民らに“命の水”を提供した。
対応困難な作業を一手に担って
その後、同教区の要請を受けた天理教災害対策委員会は、8月6日から9日にかけて、本部隊をはじめ熊本、福岡、大分の各教区隊から成る第1次隊の派遣を決定。6日午後、災救隊が宿営地を構えた八代市振興センター坂本で結隊式を行った。
第1次隊出動時は、ボランティアの受け入れ拠点として八代市社会福祉協議会(=社協)が開設した八代市災害ボランティアセンターが被害状況の把握に専念していたため、行政機関や現地で救援活動に従事していたNPO法人と連携を取りながらニーズを共有。給水活動や被災家屋の家財道具搬出、ブロック塀の解体などに力を尽くした。


第2次隊(8月9~12日)からは、10日に一般ボランティアの受け入れを開始した同市災害ボランティアセンターを通じて、被災民家などでの復旧支援を継続。以後、第3次隊から第13次隊にかけて順次被災地入りした隊員たちは、社協職員と緊密に連携しつつ、ボランティアセンターに寄せられるニーズに沿って各現場へ。災救隊の持てる車両や機材をフル活用し、給水支援やブロック塀の解体・運搬、家財道具の搬出および家屋内の清掃・整理、災害廃棄物の運搬など、一般ボランティアには困難な作業を一手に担った。
たすけ合いの精神で継続的な支援を
最終の第13次隊(9月18~21日)は、本部隊のほか、熊本、奈良、愛知の3教区隊から成る延べ135人が八代市へ出動。民家19軒のブロック塀の解体と搬出、3トンダンプ25台分の災害廃棄物の運搬などに従事した。
なお、18日には、吉澤清人・災救隊副本部長や熊本教区隊の川﨑隊長らが小野泰輔・八代市長に面会し、行政と連携しながら復旧活動に取り組んできた旨を報告。翌日朝、小野市長が宿営地を訪れ、これまでの救援活動に対する謝辞を述べた。
小野市長は「八代市は広範囲にわたって甚大な被害に見舞われ、いまなお多くの被災者が困難な状況に置かれている。そうしたなか、災救隊の皆さんが懸命に救援活動を続けてくださり、住民からも感謝の声が寄せられている。期間中は、一般ボランティアでは対応が難しい作業を担っていただいたことが、市の復旧に向けて大きな力となった。心から感謝申し上げたい」と話した。
また、21日午後には、熊本県議会議員の亀田英雄氏らを来賓に迎えて、八代市振興センター坂本で解隊式が行われた。
初動の救援活動から第13次隊まで、すべての隊に出動してきた熊本教区隊。その先頭に立って取り組んできた川﨑隊長(63歳・人吉分教会長)は、「地元熊本で被災された方々が『一日も早く元の生活に戻れるように』との一心で、救援活動に励んできた。毎次の出動を終えるころには、地域の皆さんが深々と頭を下げて感謝や名残を惜しむ言葉をかけてくださり、有り難い気持ちでいっぱいになった。救援活動はいったん区切りとなるが、これからも日々のおつとめで一日も早い復旧・復興を願うとともに、今回の出動を通してつながった地域の方々のもとへ足を運んで声をかけるなど、自分にできる支援を続けていきたい」と語った。
また、災救隊の冨松本部長は「被災者の方々が不安な毎日を過ごすなか、まとまった人数を迅速かつ継続的に派遣する組織力に加え、作業道具や車両、重機などを整えられる災救隊の強みを生かし、初動からスピード感を持って救援活動を展開することができた。現場では、隊員が勇んでひのきしんに励む姿を見た被災者の方々から、『もう一度頑張ろうという気持ちになりました』『元気をもらった』などの声を頂いた。少しでも被災者の不安を和らげ、前を向くための力になれたのではないかと感じている。今後もたすけ合いの精神のもと、災害発生時には一日でも早く被災地に駆けつけられるよう、日ごろから訓練を実施するとともに、行政や社協などと連携し、出動に備えていきたい」と述べた。
千葉と富山の被災地へ出動
既報の通り、8月13日から14日未明にかけて発生した「令和8年8月千葉豪雨」を受けて、被災地で救援活動を展開してきた千葉教区隊(峯﨑淳一隊長)は、引き続き9月18日から19日にかけて第3次隊が出動。延べ27人の隊員が、千葉市の民家で土砂の撤去作業などに従事した。
また、富山教区隊(小谷吉信隊長)は9月22日、北陸地方で8月27日未明に発生した豪雨により甚大な被害に見舞われた富山県氷川市へ、第3次隊が出動。家財道具の搬出などに延べ10人の隊員が尽力した。
令和8年熊本地震災救隊出動データ
全13次隊、24教区隊、延べ2,084人
■出動教区隊
本部、熊本、大分、福岡、長崎、鹿児島、宮崎、佐賀、岡山、広島、鳥取、山口、島根、徳島、高知、愛媛、香川、奈良、京都、三重、大阪、兵庫、滋賀、和歌山、愛知
■出動期間
8月2日~9月21日
■出動現場
熊本県八代市、宇土市、宇城市、御船町
■作業成果
ブロック塀解体……227件
家財道具搬出……20件
家屋内整理……14件
災害廃棄物運搬……1,104.5トン
給水……72.3トン
避難所シャワー運用管理支援……延べ32人










