パスワード変更 – Well being 日々の暮らしを彩る 21
2026・10/7号を見る
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メールが突然使えなくなった。送信も受信もできない。「どうしよう。困った」。たまたま同世代の十人ほどといたときだったので口にすると「私も」「少し前に同じふうになった」の声。話してみて、同じ会社のメールアドレスを持つ人に起きているとわかった。
「そういえば」と思い出す。数カ月前その会社をかたる発信者からメールが来ていた。【重要】と【 】付きで注意喚起する、ものものしいメールである。不正なアクセスによりお客様のパスワードが漏洩した可能性がある、ついてはパスワードの変更を、と促すもの。
読むだけで放置した。詐欺メールが日に何件も届く世の中だ。パスワードを入力させようなんて、いかにも怪しい。
しばらくしてまた来た。変更しないと、お客様のメールの安全のためパスワードを無効化すると警告している。脅してまで入力させようなんて、いよいよ怪しい。
その「無効化」なるものがこれなのか。あのメールはどうもホンモノだったらしい。その場にいた皆さん、私同様、詐欺を疑い取り合わなかったそうである。「ふつうに使えていたのに、会社のつごうで使えなくなるなんて」「いや、その不正なんとかをした人のせいでしょう。ほんと迷惑」と怒っている。
で、どうしたか。パスワード関係は概して不得手な世代。子どもなり孫なりに頼んで、変更したそうである。ひとりだけ「自分でした」という人がいた。趣味のつながりの若い人に頼んだら「そんなだいじな情報、さわれません」と臆され、代わりに紙に手順を書き出してもらい、それに従って操作したと。
「紙」というところに共感する。取説も種々の申込書も、紙をかたわらにそのとおり行うことで、なんとかしてきた世代である。いまや取説も紙でなくなり、スマホの画面に表示させるが、操作するうち、どこまで進んだかわからなくなったり、誤って消したりしてしまいそう。
話を聞いて、まずは自分でしてみることに。メールアドレスの会社のホームページを検索すると、変更の手順が載っていた。一語一句抜かさず紙にメモ。
その紙を前に置き、一つひとつ突き合わせながら操作すると、できた……気がする。試しに自分にメールを送信、固唾を飲んで待つ数秒、来た! 受信できている。これで使えるようになった。
終わってなお心臓はドキドキしている。もともと不整脈持ちなのに、こんなことで動悸が速くなってどうする。
パスワード関係はとても緊張する。不正アクセスする人はもうこれでおしまいにしてほしいものである。









