天理時報オンライン

喜びの種まきを細く長く – 三年千日 ひながたと私


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梶本由希子(教会本部教人・47歳・天理市)

子供のころからおぢば帰りが大好きで、年に一度のこどもおぢばがえりを心待ちにしていました。「おやさとやかた講話」で紙芝居を見せてもらったり、『劇画 教祖物語』を読んだりして教祖のお優しい心に憧れ、お慕いしてきました。誰にも打ち明けられない胸中を、教祖にだけは素直にお話しすることができ、心の安らぎと温もりを与えていただいています。

私たちは、先人が信仰をつないでくださったおかげで、教祖に出会わせていただくことができました。このお道を信仰する誰もが、教祖はご存命であるという安心感を抱いて、ひながたの道をたどらせていただけるのは素晴らしいことだと思うのです。

子供のいない私は、大事な産み育てというご恩報じができないと思い込み、自分が情けなくて、長い間、心がくすぶっていました。いま思えば申し訳ないことです。

それでも、どんななかも明るい心でお通りくだされた教祖のひながたを少しでもたどらせていただきたい一心で、未熟ながらも夫婦で心を合わせ、与わる御用をつとめさせていただくうち、「水を飲めば水の味がする。親神様が結構にお与え下されてある」とのお言葉に、私は豊かな味わいのある人生をすでにお与えいただいていることに気づかされました。

いま、私自身が一番陽気ぐらしのできる場所に嫁がせていただいていることが、本当にありがたく、もったいないことだと感じています。父より「園由講」という私たち夫婦二人の名前の頭文字を合わせた、親の思いのこもった講名を頂戴し、神様をお祀りしたこの場所で、大切な主人と共に信仰者として思いを一つにできる幸せに感謝して、教祖の御心に近づく歩みを進めたいと思います。

教祖の年祭に向かう三年千日の初めに、私は絵本の読み聞かせの勉強を始めました。かつて私が教祖のお話に心を育んでいただいたお礼に、地域の子供たちへ絵本の持つ温かみを届けたいと思ったからです。ほんの少しの勇気を出して一歩を踏み出したばかりですが、未来への喜びの種まきを細く長く続けていきたいと思っています。

教祖のように、ゆっくり、丁寧に、優しい真心を込めて。