「一れつきょうだい」を足元から – 視点
2024・7/17号を見る
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能登半島地震から半年が経つ。現地では、被災家屋の公費解体などが遅々として進まず、復興は難航している。
こうしたなか、天理教災害救援ひのきしん隊では、1月5日に始まった石川教区隊による給水活動を皮切りに、本部隊、46の教区隊、青年会隊などが出動し、6月30日まで40次にわたり、延べ7,200人以上の隊員らが現地での支援・救援活動に取り組んだ。これは、東日本大震災よりも長期間にわたる。
また教会や個人単位でも、多くのようぼくが被災地へ駆けつけるとともに、「珠洲ひのきしんセンター」のように、現地の教会や教友有志が、進んで支援活動の拠点を提供している例もある。
災救隊では、毎次の結隊式で「一れつきょうだいの自覚に立ち、真実をもって救援活動にあたります」と宣誓している。まさにお道の災害救援活動は、一れつきょうだいの教えの実践でもあろう。
「おさしづ」に「世界は神の身体身の内かしもの、同じかりものならば同し兄弟」(明治21年頃)と教えられる。
教祖140年祭活動が始まる前年に、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、昨年にはパレスチナ・イスラエル戦争が勃発した。教祖は、西南戦争が起きた明治10年に「月日にハこのしんぢつをせかいぢうへ どふぞしいかりしよちさしたい」「これさいかたしかにしよちしたならば むほんのねへわきれてしまうに」(おふでさき十三号48、49)と記された。この真実とは、世界中の人間は一れつきょうだいであり、他人ではない。みな同じ魂であり、人間の体は月日・親神からのかしものという意である。すなわち、一れつきょうだいの教えが世界中の人々の心に治まるならば、この世から争いはなくなると仰せなのである。
年祭活動は折り返しを迎えた。この時旬に、一れつきょうだいの教えを足元から実践し、一人でも多くの人々に伝え広めることを急き込まれていると思案する。教祖年祭に向けたようぼく一人ひとりの日々の着実な歩みが、陽気ぐらし世界の実現につながると信じる。
(村田幸)