“新春の団欒”味わう親里の風物詩 – 特集 本部「お節会」
2025・1/15号を見る
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3日間で4万5689人帰参
親里の伝統行事である本部「お節会」は、5日から7日にかけて行われた。
教祖が現身をもってお働きくだされていた時代から続く〝新春の風物詩〟である「お節会」。各地の教会による団参や家族連れのおぢば帰りが相次ぎ、3日間で4万5689人が帰参した。
晴天となった初日。午前9時すぎ、お節会会場の受付には、本部神殿で初参拝を済ませた帰参者が続々と並び始める。一方、餅焼き場では、前日の「鏡開き」で切り分けられたお下がりの餅が丁寧に焼かれていく。
10時、開場の合図である拍子木の音が響き渡ると、帰参者は屋内外に設けられた4カ所の会場へ。焼き餅と水菜の入ったお椀が一人ひとりに配膳され、ポットから出汁が注がれると、熱々のすまし雑煮が完成。帰参者は素朴なすまし雑煮に舌鼓を打ち、親里ならではの〝新春の団欒〟を味わった。また、会場出口では、袋入りのお下がりの切り餅が配られた。
なお期間中は、本部在籍者や直属教会長、教区長、勤務者、修養科生、管内学校の学生・生徒ら約5000人が、会場の内外でひのきしんに当たった。
関連トピックス
晴天となった初日
受付に約540メートルの列
晴天となった初日には、大勢の教友が帰参。入場者数は期間中最多の2万7797人に上った。
午前10時前から、受付には大勢の帰参者が列を成し、開場後も続々と入場者が押し寄せる。テント会場・やかた会場の受付へと向かう列は、おやさとやかた真東棟前広場から東筋を越え、本部神殿東礼拝場前まで延びる。午後零時すぎ、帰参者の列の長さが、この日の最長となる約540メートルになった(編集部調べ)。
この後、午後1時の受付終了までに列に並んだ帰参者全員に、すまし雑煮が振る舞われた。
50年以上続く団参
つながりを大切に
兵庫県市川町の瀬加分教会(中塚久徳会長)は、5日に団参を実施。教会につながるようぼく・信者や近隣住民25人が帰参した。
“新年の団参”を50年以上続けている同教会。4代会長の中塚三郎さん(故人)が地域住民とのつながりを大切にしたいとの思いで始め、いまでは幼いころ参加した地域住民が、自らの子供にも参加を促しているという。
中塚会長(52歳)は「長年、団参を続ける中で地域とのつながりが強まっていると感じる。これからも近隣住民との交流を大切にしながら、年祭活動3年目に多くの人が集まる教会の姿を目指していきたい」と抱負を語った。
「お節会」に合わせ独自の育成行事も
少年会奈良教区団は5日、「正月こどもおぢばがえり」と銘打った独自の育成行事を天理市民会館で実施。少年会員ら約500人が参加した。
これは、今年1年の活動紹介や夏の「こどもおぢばがえり」への参加を呼びかけることを目的に、10年以上前から続けているもの。
当日、教会や支部、家族連れで帰参した子供たちは本部神殿で参拝し、すまし雑煮を頂いた後、市民会館に集合。午後1時からの少年会総会に続き、プロパフォーマーによるジャグリングのほか、少年会員によるバトンや育成会員によるカラーガードのステージ、お年玉抽選会などのお楽しみ行事が行われ、会場はにぎわった。
社会福祉課員の案内で聴覚障害者の団体が帰参
聴覚障害者のハイキングクラブ「あゆみ会」の一行9人は6日、布教部社会福祉課員の案内で本部神殿を参拝した後、雑煮に舌鼓を打った。
大阪府と奈良県在住のメンバーで構成される同会は、月に一度、関西の各地でハイキングを楽しんでいる。今回の帰参は、メンバーの中井功・天理市聴覚言語障害者福祉協会会長(82歳)と妻の紀代美さん(76歳)の提案によるもの。
初めて帰参した草川富夫さん(80歳)は「雑煮の出汁の美味しさ、神殿の荘厳さにとても驚いた」と話す。
中井会長は「天理教の教えが、メンバーが人生を歩むうえでの参考になればと思った。天理教の方の中には、聴覚障害者の手助けをしてくださっている方が多い。今後も一人でも多くの人が手話を学び、聴覚障害者への理解を深めてもらえたらうれしい」と語った。
三年千日3年目の決意 「お節会」帰参者の声
実動の心定めを毎年増やして
臼井不二男さん
75歳・上恩分教会上元町布教所長・岐阜市
このたびの三年千日では、「元気に動ける最後の年祭活動かもしれない」との思いから、月に1度の神名流しを個人で心定めした。
毎月実動を続けるなか、自然と勇み心が湧き、「できることを増やそう」と思うようになり、2年目は路傍講演に取り組んだ。3年目の今年は戸別訪問にも挑戦しようと考えている。
年祭当日、親神様・教祖に喜んでいただけるよう、最後の1年も元気いっぱいに歩かせていただきたい。
修養科を経て声かけを意識
渋川伸子さん
76歳・吉泰分教会ようぼく・兵庫県明石市
2024年10月、第1000期の節目を迎えた修養科を志願しました。
亡き母は、父の出直しを機に修養科を志願しました。私も7年前に夫が出直したことから、当時の母の心境に思いを馳せ、このたび志願したのです。
修養生活を通じて、存命の教祖の存在を身近に感じ、母がお道を求めた理由が少し分かったような気がしました。
年祭に向けて、友人らへの声かけを意識し、一人でも多くの人をおぢばへお連れしたいと思います。
旬に大教会での伏せ込みを決意
アラルコン アンドレスさん
36歳・津大教会ようぼく・津市
昨年、コロンビアから約6年ぶりに帰参し、大教会で青年勤めをしている。
天理教語学院を卒業後、母国で日本語教師として勤めるなか、「将来は布教拠点を作りたい」と思うように。その中で三年千日の旬を迎え、「目標に一歩でも近づけるように」と、大教会での伏せ込みを決意した。
母国に布教拠点を作るという目標に向け、教えを正しく伝えられる人を目指すとともに、年祭当日に海外から帰参する教友のサポートに努めたい。
未信仰の人をおぢばへ誘って
有田三千代さん
83歳・納徳分教会教人・大阪府羽曳野市
年祭活動として、リーフレット配りを続けています。その中で仲良くなった人の悩みに耳を傾け、おさづけを取り次がせていただいています。
また、「お道の教えを知らない人を、一人でも多くおぢばにお連れする」ことを目標に掲げ、今回のお節会には二人の未信仰の人を伴って帰参することができました。
残りの1年も、おぢばに一人でも多くの人をお連れできるように、心と体を使わせていただきたいと思います。
立教188年お節会データ
餅……1万5600キロ(78石)
※1石=200キロ計算
木炭……3710キロ
水菜……1501キロ
すまし汁……1万6820リットル