“先の姿”を楽しみに、精いっぱい – 三年千日 教祖と私
岡﨑裕一(大岡分教会長・46歳・岡山市)
「人が好くから神も好くのやで。人が惜しがる間は神も惜しがる。人の好く間は神も楽しみや」
『稿本天理教教祖伝逸話篇』八七「人が好くから」
8年前の会長就任以来、このお言葉を頼りに通ってきたような気がします。
もともと信者の少ない教会だったので、なんとか盛り立てようと妻と話し合い、平成30年、こども食堂「岡ちゃんち」を始めました。地域に800枚のチラシを配ったものの、来てくださったのはたった一組の親子。そんなスタートでした。それでも、先述の教祖のお言葉を胸に「子供たちに楽しんでもらおう、親御さんに喜んでいただこう」と夫婦で力を合わせてきました。
やがて、ボランティアの方や野菜などを持って来てくださる方が増えるとともに、家庭に問題を抱えた子供たちが毎日、教会に来るようになりました。その子たちの愚痴を聞いたりするなかで、ある姉妹が「おっちゃんとおばちゃんの弟子になる。天理教のこと教えて!」と言ってくれたときのうれしさは、いまも忘れられません。
また、心を病んだ女子高生が、薬の過剰摂取で酩酊状態となり、電話でたすけを求めてきたこともあります。教会が“頼れる居場所”になってきたように思いました。
昨年の能登半島地震の際、「岡ちゃんち」につながる方々に支援を呼びかけたところ、ワゴン車と軽トラックに積みきれないほどの物資が寄せられました。さらに、「一番信用できる『岡ちゃんち』に、義援金を託したい」と、まとまった額を手渡されました。おかげでボランティアの方や子供たちと一緒に被災地へ駆けつけ、炊き出しや運動会、縁日などのイベントを開催することができました。
教会は、月次祭のおつとめの手もそろわない状況ですが、地域の大人から子供まで大勢が出入りする“にぎやかな教会”になりました。親神様・教祖が先を楽しみに、必要な時に必要な人や物をお与えくださっているように思います。
教祖は「神の方には倍の力や」と教えてくださいます。この心強いお言葉に、どんな“先の姿”をお見せいただけるのかワクワクしながら、精いっぱい力を入れて通りたいと思います。