「天理、頑張れよ」のメールに思う – 視点
2025・7/23号を見る
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先日、天理高校の西田伊作校長から、ある国会議員から届いた一通のメールの話を聞いた。それは一昨年、同校第2部の軟式野球部が全国大会に出場した折のことである。
メールには「野球部の生徒さんたちが全国大会から帰ってきたら褒めてあげてください。選手たちは会場である神宮球場へ行く道すがら、ごみ拾いをしながら歩いていました。その姿を目にして感動した私は、『天理、頑張れよ』と声をかけました。すると、野球帽を脱いで『はい、ありがとうございます』と気持ちのよい返事が返ってきました。これまた最高に爽やかでした。試合に勝つかは分かりませんが、彼らはすでに朝からこうして周囲の人たちに感動を与えているのです。それはもう勝者です。彼らを褒めてやってください」とあった。
同校野球部は全国大会で15連覇を遂げていたが、その年の試合で連覇を逃した。西田校長は「試合には負けましたが、教えの実践を通して勇んだ喜びの姿を地域に映すという大きなにをいがけをしてくれたと思う」と語っていた。一昨年の出来事だが、教友として選手たちの姿勢に大いに元気を頂いた。
本教が掲げる信条教育は、天理教の教えに即した陽気ぐらしという価値観を生活の中で実践していくことである。天理小学校、天理中学校、天理高校などの管内学校へ通う児童・生徒らは、揃っての本部神殿での定刻参拝をもって学校の始業としている。天理高校では、おつとめ後に病気やけがを抱える生徒に対して各教諭がおさづけを取り次ぐのが習慣ともなっている。
教えに基づく生き方や、信仰生活における喜びを次世代へ伝えていくことは布教伝道のうえで最も重要な事柄の一つである。同校野球部の選手たちが行ったひのきしんは、人のために尽くす喜びを味わった瞬間でもあっただろうと思う。また、教祖の膝元で学ぶ彼らの身に付いたお道のにをいが周囲の人の心を動かした瞬間でもあったに違いない。
今年の夏もさまざまな活動を通じて、天理で学ぶ学生・生徒らしく、自分たちにできる教祖のひながたを辿る活動を広げてもらいたい。
(加藤)