「一列ろくぢ」を目標に – 視点
2026・2/11号を見る
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教祖が現身をおかくしになられる前日、明治20年2月17日夜(陰暦正月二十五日夜)、教祖のお身上が宜しからず、飯降伊蔵様を通して伺うと、「さあ/\すっきりろくぢに踏み均らすで。さあ/\扉を開いて/\、一列ろくぢ。さあろくぢに踏み出す」とのお言葉があった(『稿本天理教教祖伝』第十章「扉ひらいて」)。「ろくぢ」とは、平らな土地という意味であるから、親神様・教祖は、世界一れつを、差別や身分の高低のない平らな世界に均すため、たすけに踏み出されることをお示しくださったのであろう。
教祖が現身をもってお働きくだされたのは、江戸時代末期から明治時代半ばだが、当時は厳しい身分制度が存在し、庶民の生活は貧しく不自由なものであった。明治時代に入り、身分制度は廃止されたが、貧富の差はむしろ拡大し、庶民は依然として厳しい生活を強いられていた。
また、世界に目を向ければ、この時代は帝国主義の全盛期であり、戦争や植民地支配が拡大していった。奴隷制度や人身売買も、このころすでに廃止へと向かい始めていたものの、力ある者が力なき者を思いのままに支配するという理不尽が横行する、悲しい世の中であった。そうした世界を「ろくぢに踏み均らす」とご宣言くださった親神様・教祖の眼差しは、国内にとどまらず、世界一れつに向けられていたに違いない。
第二次世界大戦後の昭和23年(1948年)には「世界人権宣言」が国連総会で採択され、すべての人間は生まれながらに自由であり、尊厳と権利において平等であるという基本的な考え方が、世界中で共有されるようになった。しかし、近年の世界情勢を見ると、国際法や国際秩序を軽視し、武力による現状変更を推し進めるような、自己中心的な思想や行動が次第に広まりつつあるように感じられる。
親神様・教祖の目指された「一列ろくぢ」は私たちようぼくの目標でもあるはずだ。だからこそ、よろづたすけの道としてお教えいただいたおつとめで世の治まりを願うことが、いまなお欠かせないのである。
(清水)





