猛暑予報の夏 周囲に心を配ろう – 視点
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2023年7月、世界の平均気温が観測史上最高を記録した。国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が訪れた」と警鐘を鳴らしたことが大きな話題となった。
日本でも観測史上最高気温を記録し、5月から9月までに熱中症で搬送された人数は全国で9万1千人余り、過去2番目に多かった。今夏も高温になる長期予報がすでに発表されている。いまから不安に感じている人も少なくないのではないか。
環境省と気象庁は、危険な暑さが予想される場合、暑さへの「気づき」を国民に呼びかけ、熱中症予防行動を促す「熱中症警戒アラート」の運用を行っている。今年からは、さらなる危険な状況に備えて一段階上の「熱中症特別警戒アラート」を新設して運用を開始している。特別警戒アラートは、環境省の「熱中症予防情報サイト」で発表され、登録すれば、メールによる情報配信も受けられる。
同省は「自助で熱中症予防行動をとることが基本ですが、気温が特に著しく高くなることにより重大な健康被害が生じるおそれがある場合には、自助による熱中症予防行動が難しい場合もあることから、家族や周囲の人々による見守りや声かけ等の共助や公助が重要となります」と呼びかけている。
このアラートが発表されることがあれば、屋外やエアコンなどが設置されていない屋内での活動を直ちに中止や延期して、涼しい場所へ避難することはもとより、できるだけ周囲の人にも気を配って、必要な声かけや手助けを心がけたい。
特に注意したいのが屋内にいる高齢者だ。
高齢者は暑さを感じにくいうえに、発汗と血液の循環が低下し、暑さに対する耐性も低下しているといわれる。アラートの情報が届きにくいケースが少なくないと思われるので、積極的な声かけが重要だ。
今年も厳しい暑さが予想されている。お道の者として、これを機に、より周囲に心を配り、身近なところでたすけ合いを実践する夏にしたい。
(諸井)