創部初の大学選手権ベスト4 – 天理大学野球部
2024・6/26号を見る
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天理大学野球部は15日、東京都の明治神宮球場で行われた「全日本大学野球選手権大会」準決勝で前年度覇者の青山学院大学と対戦。2-10で敗れたが、創部初となる大学選手権ベスト4入りを果たした。
天理大学野球部は昭和21年、天理語学専門学校(のちの天理大学)の野球部として発足。昭和30年に「阪神大学野球連盟」に加盟し、同年秋からリーグ戦に参加した。53年、リーグ戦初優勝。これまで大学選手権には10回出場したが、準々決勝で3度敗れており、ベスト8突破は高い壁になっていた。
今季、天理大学は阪神大学野球リーグ戦を8勝2敗で勝ち抜き、リーグタイ記録となる7連覇を達成した。全10試合のうち5試合でコールド勝ちした、思いきりの良いスイングを引き続き心がけるとともに、「投手を中心に守り勝つ野球」を意識して大学選手権に臨んだ。
新たな歴史を刻み
11日の大学野球選手権初戦では、東京農業大学北海道オホーツク(北海道学生野球連盟代表)と対戦した。
先制点を奪われた天理大学は四回裏、四番の石飛智洋選手(4年)が2ランホームランを放ち逆転。勢いづく天理大学は、五回も連打で得点を重ねると、七回裏2アウト満塁から杉下海生選手(3年)のタイムリーヒットで8-1とし、コールド勝ちを収めた。
続く2回戦の相手は八戸学院大学(北東北大学野球連盟代表)。1-1の同点で迎えた四回裏、石飛選手のタイムリーヒットで勝ち越しに成功すると、打者一巡の猛攻で一挙8得点。9-1と大差をつけると、続く五回裏にも2点を追加して11-1。2戦連続のコールド勝ちで準々決勝へコマを進めた。
この試合で3安打と活躍した石飛選手は、前の試合から7打席連続安打を放ち、大学選手権史上、24年ぶり二人目の大会タイ記録を樹立。さらに1イニング2安打、1試合3本の二塁打も大会タイ記録となった。
3回戦は帝京大学(首都大学野球連盟代表)と対戦。先制した天理大学は、先発の長野健大投手(4年)が6回4安打無失点に抑えて試合をつくると、続く七、八回を吉岡大誓投手(同)、九回を長尾渉佑投手(3年)が、ともに無失点の好投を見せて完封リレー。3-0で勝利し、創部初の大学選手権ベスト4入りを決めた。
準決勝は、大会連覇を狙う青山学院大(東都大学野球連盟代表)と対戦した。
序盤、プロ注目の強打者・佐々木泰選手(4年)にホームランを打たれるなどしてリードを許した天理大学。四回裏には、1アウト満塁の場面で代打の藤澤孝典選手(2年)がタイムリーヒットを放ち、待望の1点を返す。続く山城省太選手(4年)の内野ゴロで2点目を取って意地を見せたが、追い上げはここまで。投手陣も奮闘したものの、八回に追加点を奪われ、2-10でコールド負けを喫した。
なお、石飛選手が大会の「特別賞」に選ばれた。さらに石飛選手は、6月22日から行われる「侍ジャパン」大学代表選手選考合宿に追加招集を受けた。
三幣寛志監督(44歳)は「皆さんのご声援のおかげで、チームに新たな歴史を刻むことができた。大変光栄に思う。1、2回戦でのコールド勝ちなど、攻守ともに天理らしい野球を全国の舞台で見せることができた。青山学院大学戦は完敗だったが、この戦いを経験できたことは、チームにとって大きな財産になったと思う。秋の『明治神宮野球大会』にも必ず出場して、日本一を手にしたい」と話している。