互いの労をねぎらう思いやりある社会に
客がお店などに理不尽なクレームや要求をするカスタマーハラスメント、いわゆる“カスハラ”が社会問題になっています。
お金を払うほうが優位な立場にあると、どうしても思ってしまいがちですが、太古の物々交換の時代には、おそらくカスハラなどなかったでしょうね。互いの労をねぎらいながら、欲しい物を交換したはずです。立場の優位性は、交換の“仲立ち”としてお金を使うようになってから生まれました。
海にお金を払って魚を捕る人はいません。畑にお金を払う人もいません。お金は、自然の恵みを目の前にそろえてくれた手間に敬意を払って支払われるもの。決して立場の優位を決めるものではないはずです。
相手の労を高く評価して、自分の労は低く見積もる。そういう思いやりのある社会に、カスハラなんて生まれないのでは――などと考えながら、田植え後の青々と育つ田んぼを眺めています。
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