感謝をもって心定めを実践する「さんげ」- 講演ダイジェスト 天理大学おやさと研究所 公開教学講座
2024・7/10号を見る
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「信仰に生きる『逸話篇』に学ぶ(10)」から
井上昭洋 おやさと研究所長
天理大学おやさと研究所(井上昭洋所長)は「2024年度公開教学講座 信仰に生きる『逸話篇』に学ぶ(10)」をオンラインで開催している。6月21日に配信された第1回は、井上所長が『稿本天理教教祖伝逸話篇』172「前生のさんげ」をテーマに登壇。ここでは、その内容をダイジェストで紹介する。
「懺悔」はもともと仏教用語で、「罪を告白して許しを請うこと」「悔い改めること」を意味し、これらは心の中の動きであるのに対して、本教の「さんげ」は、過去の反省に加えて、親神様への感謝の心をもって心定めをすることであり、実践が強調される。
このご逸話は、手癖の悪い娘に困っていた昆布屋の父親が、教祖のお言葉で前生のいんねんを知り、心からさんげしたところ、鮮やかなご守護を頂いたというもの。
前生の詮索よりも今生のたんのうを
このご逸話が短くシンプルに編集されている理由として、前生のことを詮索するよりも、今生における通り方が大切であることを強調するためと推察できる。
そのうえで、「さんげ」について記されたほかのご逸話をひもとくと、「さんげ」の要点は「許してくださいと詫びる」「親神様に感謝する」「心定めをして実践する」の三つであると考えられる。
また、「おさしづ」では、「たんのうは前生いんねんのさんげ」というお言葉が頻出する。たんのうとは、「満足すること」「自分が置かれている状況をまるごと受け入れる心」であるから、このお言葉の意味するところは、たとえ前生でどのような悪しき種を蒔いたのかは分からなくとも、どのようなときも、たんのうして通ることによって「前生いんねんのさんげ」としてお受け取りいただけるということだと考える。
2024年度公開教学講座ラインアップ
第1回 井上昭洋所長 172「前生のさんげ」
第2回 澤井 真研究員 114「よう苦労して来た」
第3回 岡田正彦研究員 135「皆丸い心で」
第4回 八木三郎研究員 36「定めた心」
第5回 森 洋明研究員 85「子供には重荷」
第6回 中西光一研究員 144「天に届く理」
2024年度公開教学講座「第1回 井上昭洋所長 172『前生のさんげ』」の動画は、下記から見ることができる。第2回以降の動画も順次公開される。
https://www.tenri-u.ac.jp/news/34976/