ハワイの高校生 親里で柔道の“出稽古”
2024・7/10号を見る
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ホノルル港教会・岩田タッド教司会長が引率
ハワイで柔道を習う高校生とコーチら32人が、6月1日から16日にかけて、ホノルル港教会の岩田タッド教司会長(46歳・ホノルル市)の引率で来訪した。これは、ハワイの高校生たちに“天理柔道”を体験してもらおうと、岩田会長が企画したもの。一行は、管内学校の柔道部員たちと練習に汗を流したほか、学生・生徒との交流会や、本部神殿などでのひのきしんを通じて、感謝の心を育んだ。
6月4日午後、天理高校総合体育館の柔道場で、ハワイから来日した高校生たちが、天理高柔道部員との合同練習に打ち込んでいた。
岩田会長は今回の来訪の意図について、「多くの人におぢば帰りの感動を味わってもらいたいと思って」と語る。
約20年前、ハワイの高校の部活動に柔道が導入され、柔道人口が徐々に増加。現在、ハワイ伝道庁(小原仁郎庁長・ホノルル市)が運営する「ハワイ天理柔道クラブ」で柔道を習う人も少なくない(コラム参照)。
今回、岩田会長がハワイの柔道関係者に「天理教の聖地で天理柔道を学んでみないか」と声をかけたところ、6校の高校の柔道部員とコーチが集まった。
終始、真剣な表情で天理高柔道部員との練習に励んでいたのは、5歳から「ハワイ天理柔道クラブ」で柔道を習う長谷幸汰さん(モアナルア高校1年)。天理の選手の強さを身をもって感じたという。
長谷さんは「天理の人たちと関わる中で、教えを大切にしている皆さんから“低い心”を学びたいと思った」と話す。
10日には、天理高第1部C型(英語重視コース)の生徒との交流会が持たれた。
信仰に根差した文化を感じて
一行は1日、おぢばへ来訪し、本部神殿で参拝。滞在中には、本部朝づとめに参拝したほか、宿泊した防府詰所では、トイレ掃除や敷地内の除草などに勤しんだ。
ルーズベルト高校柔道部でコーチを務めるケイ・イイダさん(38歳)は、本部朝づとめに参拝した際、老若男女が真剣におつとめを勤める姿に感銘を受けたという。
イイダさんは「天理の選手の元気なあいさつに驚いた。柔道の技術はもちろん、ほかの柔道クラブにはない、信仰に根差した文化があると感じた」と語る。
岩田会長は「おぢばで天理の選手と練習に打ち込み、ひのきしんの汗を流したことは、喜びや感謝の気持ちを培う貴重な経験になったと思う。親里で得た学びを、これからの生活に生かしてもらいたい」と話した。
コラム – ハワイの“天理柔道”
昭和33(1958)年、「柔道を通して幼少年子女の体育増進、礼儀作法、信仰心を育成し、地域社会から天理教という宗教に対して親近感をもってもらおう」という井上護國・ハワイ伝道庁初代庁長の発案で、「ハワイ天理道場」が開かれた。以後、多くの人が“天理柔道”を習うとともに、日本から管内の柔道チームが訪れて稽古や親善試合を行うなど、交流を続けてきた。当初、ホノルル港教会内に道場が建てられ、昭和50(1975)年、伝道庁敷地内の「天理文化センター」に新道場を移設。現在、約100人が稽古に励んでいる。