特集 “お道の里親”功績を称えて
2024・7/17号を見る
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「内閣府特命担当大臣表彰」13組が受賞
近年、保護を必要とする子供が増加の一途をたどっている。本教は、昭和56年に宗教団体として初の「里親会」を発足し、58年に「天理教里親連盟」へと発展。今年4月時点での里親登録者数は537世帯に上り、358の家庭で、全委託児童の約1割に当たる765人の子供を養育している。こうしたなか、こども家庭庁は先ごろ、長年にわたり養育に努めた42組に「内閣府特命担当大臣表彰」を贈り、“お道の里親”13組が受賞。また、同大臣の「感謝状」も、9組(全国では56組が受賞)に贈られた。ここでは、表彰された里親の紹介とともに、橋本武長・布教部社会福祉課長の談話を掲載する。
●西森律身さん(60歳・加茂谷分教会長・徳島県阿南市)と恵子さん(60歳)
天理教里親連盟委員長の律身さんは「ありのままを認めることを大切にして向き合ってきた」と話す。
●梅原啓次さん(71歳・大啓分教会前会長・大阪市)と和美さん(68歳)
全国里親会評議員の啓次さんは「教祖のひながたを胸に、子供を預かろうと勇んでつとめてきた」と。
●山田明彦さん(63歳・本部直属生琉里分教会教人・天理市)と真理子さん(54歳)
奈良県里親会副会長を務める明彦さん。「里親活動を通じて、教祖の教えの素晴らしさを実感している」
●富松伸六さん(60歳・葛陽分教会長・和歌山県紀の川市)と紀子さん(58歳)
和歌山県里親会会長を務める伸六さんは「夫婦で力を合わせて手本を示すことに努めてきた」と語る。
●髙橋信治さん(60歳・境町分教会長・群馬県伊勢崎市)と理恵さん(60歳)
「子供の話に傾聴することや、良いところをしっかり褒めることを大切に養育に当たってきた」と信治さん。
●中畝多喜さん(78歳・野上分教会前会長夫人・埼玉県長瀞町)
「少しでも家族の大切さを伝えようと模索してきた。これからも児童養護の一助になりたい」
●吉岡武司さん(71歳・本將分教会長・愛知県豊橋市)と泰美さん(68歳)
泰美さんは「子供が安心して食事を取って休める場所になることを意識してきた」と話す。
●佐々木省三さん(72歳・大ケ塚分教会長・大阪府河南町)と美智江さん(69歳)
美智江さんは「子供は親のことをよく見ているので、前向きな言葉づかいを心がけている」と。
●三原一郎さん(77歳・都茂分教会信者・島根県出雲市)と恵子さん(77歳)
「子供たちと地域行事への参加を続けるなか、周囲からの理解や協力を頂けるようになった」と恵子さん。
●今西陽一さん(68歳・北群分教会前会長・山口県下関市)と澄子さん(69歳)
陽一さんは「傷ついた子供たちの心に寄り添うことを大切にしてきた」と。
●合田義雄さん(73歳・愛野分教会前会長・愛媛県四国中央市)と光映さん(68歳)
義雄さんは「信者さんの中にも、里親活動を始める人が増えてきた。これからも児童支援の輪を広げていきたい」と語る。
●松木明さん(74歳・實和分教会長・高知県南国市)と節子さん(73歳)
「周囲の人に感謝し、低い心で通ることを教えてきた。委託期間が終わった子供が、友達を参拝に連れてきてくれたことがとてもうれしかった」と明さん。
●小野喜久さん(54歳・鉄都分教会長・福岡県北九州市)と陽子さん(53歳)
陽子さんは「子供が将来、温かい家庭を築いていけるよう、精いっぱい愛情を注いできた」と話す。
9組が感謝状受け
●今道茂さん(70歳・嘉瀬分教会長・青森県五所川原市)、邦枝さん(64歳)
●石橋雄一郎さん(58歳・寶立分教会長・石川県珠洲市)、淑子さん(60歳)
●磐上教道さん(72歳・峽中分教会長・甲府市)、理美子さん(70歳)
●小﨑浩司さん(67歳・宇龍分教会前会長・奈良県吉野町)、善恵さん(68歳)
●岩佐道代さん(67歳・応神分教会長・徳島市)
●柿谷貞夫さん(77歳・後川分教会前会長・高知県四万十市)、佳江さん(71歳)
●肥後良子さん(54歳・肥後八峰分教会長・熊本県八代市)
●河島純一さん(62歳・京町分教会長・京都市)、みどりさん(60歳)
●関灘秀信さん(53歳・西明石分教会長・兵庫県明石市)、和枝さん(51歳)
談話 – 里親活動、より一層の充実へ
橋本武長・布教部社会福祉課長
お道の社会福祉活動は、明治43年の天理教養徳院(現・天理養徳院)開設に当たり、中山眞之亮・初代真柱様が詠まれた「人の子も我子もおなしこゝろもて おふしたててよこのみちの人」との歌に込められた思いを基本指針としている。さらに、教祖の「人の子を預かって育ててやる程の大きなたすけはない」(『稿本天理教教祖伝逸話篇』86「大きなたすけ」)とのお言葉を胸に、これまで多くの教友が里親活動という“大きなたすけ”に尽力してきた。今回、その功績が称えられたように、いまでは“お道の里親”が各方面から多大な信頼を得て、地域社会から期待されている。
複雑に多様化する現代社会で、さまざまな難渋を抱える子供たちの健やかな成長のため、お道の里親活動の充実がより一層、望まれる。