“負けない柔道”で団体戦準優勝 – 天理大学柔道部男子
2024・7/17号を見る
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天理大学柔道部男子は、2024年6月22日から23日にかけて東京・日本武道館で行われた「全日本学生柔道優勝大会」に出場。15年ぶりとなる準優勝に輝いた。
穴井隆将監督(39歳)は、今年のチームについて「高校時代にコロナ禍を経験した世代。そのため経験が乏しく、自分を信じる力が弱い選手が少なくなかった」と評する。一方で、「ほかの大学にも同じ傾向が見られるので、どれだけ選手に自信を持たせるかが大切」と話す。日ごろの稽古で、時には厳しい言葉をかけるなか「『自分がやらなければ』という自覚を持って戦えるようになってきた」という。
体重無差別の7人制で行われる今大会。2年の夏から団体戦のメンバーとして活躍し、今冬の「全日本学生柔道Winter Challenge Tournament」100キロ超級で優勝した鈴木太陽選手(4年)と共に、1年時に同大会100キロ級で優勝し、昨年は「全日本ジュニア柔道体重別選手権大会」100キロ級で準優勝するなどの好成績を残している平見陸選手(3年)の両者が、ポイントゲッターとして試合の鍵を握る。
また、81キロ級の本田祥万選手(4年)と石田幸伸選手(4年)を同大会で初起用。「自分より大きい体格の相手と組み合って戦い抜く負けん気の強さを評価した」と穴井監督は話す。
大会まで日参続けて
試合の1週間前から、ベストコンディションで大会に臨めるようにと、部員一同で本部神殿へ日参した。「親神様のご守護を頂いたおかげで、当日はメンバーが一人も欠けることなく大会に臨むことができた」と穴井監督。
3回戦から出場した同部は初戦、国際武道大学と対戦した。
五将戦で敗れ、0-1のまま試合が展開されるなか、副将の平見選手が合わせ技で「一本」。大将の鈴木選手が「大外刈」で一本勝ちを収め、2-1と逆転して勝ち上がる。
この後、順調に勝ち進んだ天理大学は、準決勝で前回大会優勝の国士舘大学を破った中央大学と対戦した。
選手それぞれが粘りを見せ、4連続で引き分けた後の三将戦。ここでも平見選手が試合中盤に「体落」で「一本」勝ち。後続がこのリードを守りきり、1-0の僅差で勝利。15年ぶりの決勝進出を決めた。
勝てば31年ぶりの優勝となる決勝戦は、強豪・東海大学との対戦となった。
先鋒戦で東海大学に「一本」負けを喫したものの、次鋒、五将戦は引き分けに持ち込む。中堅戦で鈴木選手が開始42秒に「小外刈」を決めて1-1と追いついたが、副将戦に敗れて準優勝となった。
なお、今大会の優秀選手に鈴木選手と平見選手が選ばれた。
神田雄志主将(同)は「失点せず、エースが点を取るという作戦通りに進んだ試合が多く、練習の成果が出たように思う。しかし、日本一という目標には届かず、結果に満足していない。秋の『全日本学生柔道体重別団体優勝大会』では、必ず日本一の栄冠を手にしたい」と決意を語った。
穴井監督は「決して満足のいく結果ではなかったが、この結果を受け止めて、秋の団体戦では日本一を成し遂げたい。応援してくださる教友の皆さんに、もっと喜んでもらえるよう、これからも精進していく」と抱負を語った。