陶芸の魅力を海外へ伝える 美濃焼伝統工芸士 水野豊滋さん – ヒューマンてんり人
美濃焼の産地として長い歴史を持つ、岐阜県土岐市にある「守山窯」の窯元であり、天理教「守山布教所」の所長でもある。
守山窯は父親が一代で築き上げた工房で、美濃焼の伝統工芸品15品目の一つ「志野」を得意としている。安土桃山時代に登場した志野は、温かみのある柔らかな乳白色に焼き上がるのが特徴だという。
陶芸に打ち込む父の姿を見て育ち、中学卒業後は、多治見工業高校工業デザイン科を経て、同校の専攻科陶磁科学芸術科へ。その後、守山窯で作陶の腕を磨き、平成18年に美濃焼伝統工芸士の認定を受けた。
これまで国際コンクールへの出品や、アメリカのテネシー大学で陶芸の特別講師を務めるなど、海外での活動にも力を入れてきた。昨年、ニューヨークで開かれた「東京・ニューヨーク姉妹都市交流陶芸コンテスト」で優秀作品賞に選ばれた。
「焼き物を作るうえでは、土と釉薬の“つなぎ”が大変重要で、人間関係においても、人とのつながりを大切にしている。これからも、陶芸の魅力を多くの人々に知ってもらうとともに、使う方に喜んでもらえるものを作っていきたい」