34年ぶり西日本インカレⅤ – 天理大学バレーボール部男子
2024・8/21号を見る
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天理大学バレーボール部男子は、7月5日から7日にかけて広島市の広島県立総合体育館などで行われた「西日本バレーボール大学男子選手権大会」(西日本インカレ)に出場。トーナメントを勝ち抜き、34年ぶり6回目の優勝に輝いた。
今年の「関西大学春季リーグ戦」では、「守り勝つバレー」をコンセプトに全勝優勝を果たした同部。
西日本インカレに向けて、日本最高峰のバレーボールリーグであるVリーグで長年プレーし、ブロック賞を複数回受賞した富松崇彰氏を招いて特訓。選手たちは2日間にわたり、ブロックのスペシャリストからフォームや跳び方などの指導を受けた。
「ブロックでは、失点した際に相手が上手だったのか、こちらのミスだったのか分かりづらい場面が多々ある。今回の特訓では、技術向上はもちろんだが、チーム全体で認識を統一できたことが一番の収穫」と浅川敏監督(47歳)は語る。
一昨年は準優勝、昨年はベスト4と、あと一歩のところで優勝を逃してきた同部。「今年こそ」と気合を入れて大会に臨んだ。
トーナメントを順調に勝ち進み、準々決勝では、昨年の準決勝で敗れた近畿大学と対戦。天理大学の選手たちは落ち着いたプレーで得点を重ね、3-0で試合を制した。
準決勝の中京大学戦では、第2セットにデュースが続き、33-35で今大会初めてセットを落とす。しかし選手たちは動揺することなく、第3・第4セットを連取してファイナルへ駒を進めた。
迎えた東亜大学との決勝戦。接戦が続くなか、第1セットを22-25、第2セットを27-29と連続で奪われ、0-2と後がない状況に追い込まれる。
しかし、「長丁場の試合になると常々伝えていたので、第3セット以降も気負うことなくプレーできた」と浅川監督が振り返るように、その後はディフェンスから流れをつくる天理大学の持ち味を生かした好プレーが続き、第3・第4セットを連取した。
2-2で迎えた最終セット。14-12でマッチポイントを迎えた天理大学は、酒井秀輔選手(4年)のバックアタックが見事に決まり、逆転勝利。34年ぶり6回目となる優勝を果たした。
なお、最優秀選手賞とサーブレシーブ賞に楠本岳キャプテン(同)が選ばれたほか、4選手と浅川監督が個人賞を受賞した。
この結果を受け、東日本インカレ王者である中央大学とのエキシビジョンマッチが決まった。
楠本キャプテンは「自分たちの代で優勝を勝ち取れて本当にうれしい。天理で行うエキシビジョンマッチには、たくさんの人が応援に来てくださると思うので、楽しみながら、チャレンジャーとして中央大学に立ち向かいたい。相手は高さのあるチームなので、ディフェンスでしっかり自分たちの流れをつくって戦っていく」と話す。
浅川監督は「34年ぶりの優勝は本当にうれしい。今大会、練習を重ねた組織的なディフェンスがしっかり機能し、勝ち抜くことができた。東日本の〝雄〟との戦いになるエキシビジョンマッチは、胸を借りるつもりでチャレンジしたい」と話している。
なおエキシビジョンマッチは、17日に天理大学杣之内第1体育館で開催される。
(14日記)