「人生100年時代」に思う – 視点
2024・9/18号を見る
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去る8月21日のニュースで、世界最高齢と認定されていたスペインの女性に替わり、兵庫県芦屋市在住の116歳の女性が新たに世界最高齢になったと報道された。
また、約1年前の「敬老の日」を前にした厚生労働省の発表によると、全国の100歳以上の高齢者が9万2千139人となり、過去最多、53年連続で増加しているという。今年も同様の発表があると思われるが、さらなる増加が予測され、いよいよ「人生100年時代」が到来しつつある。
その一方で気になる話もある。民間シンクタンク「100年生活者研究所」が今年3月に実施した調査によると、100歳まで生きたい日本人の割合は3割未満で、幸福度も含めて海外5カ国(アメリカ、中国、フィンランド、韓国、ドイツ)と比較して最も低い結果だった。その要因としては、日本人は100歳まで生きることに関して、「迷惑をかけたくない」「大変そうにみえる」などネガティブな面のみに注目しているからだという。同研究所は、人生100年のリスクに目を向けるのではなく、ポジティブな面を周知することで、日本人の100歳まで生きたい気持ちを向上させることが課題だと指摘している。
ところで、「おふでさき」には「このたすけ百十五才ぢよみよと さだめつけたい神の一ぢよ」(三号100)とあり、115歳がいわば親神様の望まれる人間の一生の目標点となることが示されている。
さらに『天理教教典』には、このお歌をもとに「人々の心が澄みきつて、真実の心となつた暁には、たすけづとめによつて、甘露を授けられる。これを頂けば、人は、よく百十五歳の定命を保ち、なお、心次第によつては、いつまでも生きさせてやろうと教えられる」と記されている。
お道の者としては、こうした思召をもとに、親神様のかしもの・かりもののご守護に日々感謝を捧げ、心を澄まして、人をたすける心で周囲の人と睦まじく暮らすことが、人生100年時代を豊かに生きる秘訣であると心得たい。
(諸井)