働くお道の高校生 スポーツの祭典で躍動 – 天理高校第2部
2024・9/25号を見る
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働きながら学ぶ高校生のスポーツの祭典「全国高校定時制通信制体育大会」が先ごろ閉幕した。天理高校第2部は8競技に出場し、団体および個人戦でそれぞれ好成績を収めた。4年連続の優勝に輝いたバスケットボール部女子をはじめ、各競技で活躍したチームや選手を一挙紹介する。
逆転勝利で4連覇
バスケットボール部女子
全国定通大会で4年連続21回目の優勝を果たしたバスケットボール部女子。
昨年のレギュラーがほとんど引退し、最上級生は西辻智穂キャプテン(4年)と武田ひなの副キャプテン(同)の二人になるなか、下級生が伸び伸びプレーできる環境づくりを心がけ、チーム力を高めてきた。
初戦を大勝した同部はトーナメントを順調に勝ち進み、決勝では都立一橋高校と対戦した。
相手チームにわずかなリードを許した試合終盤、武田副キャプテンのリバウンドシュートで逆転に成功すると、西辻キャプテンがダメ押しの追加点を決め、59‐56の僅差を制して勝利。見事に4連覇を成し遂げた。
なお、今大会の優秀選手に西辻キャプテンが選ばれた。
西辻キャプテンは「負けている状況でも声をかけ合い、焦らず落ち着いてプレーしようと呼びかけた。4連覇は本当にうれしい。これも、いままでついてきてくれた下級生や、周りの人に支えてもらったおかげ」と笑顔を見せた。
2年ぶりアベック優勝
バレーボール部
バレーボール部は、男子が2年ぶり8回目、女子が3年連続16回目の頂点に立ち、2年ぶりとなる”アベック優勝”を果たした。
エースアタッカーの田中唯人キャプテン(4年)を中心に、勢いに乗ったときの爆発力を持ち味とする男子。大会前には、OBらと練習試合を重ねた。
準々決勝では、ミスが重なり第1セットを落としたものの、直後に選手同士で声をかけ合い、奮起を促す。第2セットを奪取すると、第3セットでデュースにもつれ込むなか、小島陽輝選手(同)がスパイクを決め、26‐24で勝利した。
勢いに乗ったチームは準決勝、決勝とストレート勝ちを収め、2年ぶりの優勝を手にした。
なお、今大会の優秀選手に田中キャプテンと小島選手が選ばれた。
田中キャプテンは「昨年はけが人が多く、初戦で負けてとても悔しかった。今年は『絶対にもう一度優勝する!』と、チームの気持ちを一つにして戦うことができた」と話した。
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一方、粘り強い”つなぎのバレー”が武器の女子。経験者の丸木かのん選手(3年)・かりん選手(1年)姉妹が、得意の強力スパイクで得点を量産する。
大会では、準決勝を含む3戦すべてストレート勝ち。しかし決勝では緊張からか、第1セットを落としてしまう。それでも、直後に「普段通りのプレーを心がけよう」と声をかけ合い、第2セットを奪うと、続く第3セットも落ち着いたプレーを見せ、2‐1で勝利。3連覇を達成した。
なお、今大会の優秀選手に丸木かのん選手とかりん選手が選ばれた。
辻奈々美キャプテン(4年)は「監督やコーチをはじめ、大勢の方々に支えてもらって優勝できた。皆さんへの恩返しができたかな」と笑みを浮かべた。
日本一を奪還
軟式野球部
軟式野球部は、2年ぶり19回目の優勝を飾った。
昨年、準決勝で大智学園高校に敗れ、連覇が途切れた同部。日本一の奪還に向け、守備の安定性を高め、ヒットエンドランやバントなど”つなぎの野球”で確実に点を取る練習を繰り返してきた。
初戦を五回コールド勝ちすると、トーナメントを順調に勝ち進んでいく天理高校。決勝戦は、大智学園高校とのリベンジマッチとなった。
天理高校は、三回表に奥田泰人選手(1年)の犠牲フライで先制すると、先発の鈴木快投手(3年)がコーナーを突く巧みな投球で六回を1安打に抑える。
さらに、七回から登板した片山蒼四郎投手(2年)も無安打2奪三振の好投を見せ、3‐0で勝利。天理高校が再び頂点に立った。
髙尾昂志主将(4年)は「昨年負けたチームとの決勝戦だったこともあり、試合中は常にプレッシャーを感じていた。その分、勝利の瞬間は本当にうれしかった」と喜びを表現した。
個人戦で頂点に 柔道部
軽量級山本栞奈選手
超級永井友理選手
柔道部の山本栞奈選手(3年)は女子軽量級で、永井友理選手(同)は同超級で、それぞれ優勝を収めた。
昨年3位入賞した山本選手。乱取りを繰り返し、トーナメントを勝ち抜く体力を培ってきた。大会では、合わせ技一本などで勝利を重ね、初優勝に輝いた。
山本選手は「きつい練習を頑張ってきたかいがあった。来年は団体戦優勝も目指したい」と抱負を語った。
一方、高校から柔道を始め、今大会に初出場した永井選手。「大外刈」などでトーナメントを勝ち進み、決勝では合わせ技一本で初優勝した。
永井選手は「初めての全国大会なので緊張したけれど、仲間たちの応援のおかげで優勝できた」と話した。
陸上競技部
100メートルハードル松川 萌選手
陸上競技部の松川萌選手(2年)は女子100メートルハードルで優勝を摑んだ。
今大会初出場の松川選手。決勝では、終盤にライバルの選手を抜き、僅差で初の頂点に。
松川選手は「仲間の声援が聞こえて、『もっと頑張ろう』と力を振り絞ることができた。来年に向け、もっとタイムを縮めたい」と話している。