リーグ優勝奪還に向け開幕4連勝 – 天理大学ラグビー部
2024・10/30号を見る
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関西の大学ラグビーの王者を決める「ムロオ関西大学ラグビーAリーグ」が9月22日、開幕した。4年ぶりの優勝奪還を目指す天理大学ラグビー部は、開幕から3連勝と好スタート。10月20日、天理市の親里競技場で行われた第4節の関西大学戦も、64-21で勝利し、連勝を4に伸ばしている。
(23日記)
昨シーズン、「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」で3大会ぶりにベスト4入りした同部。1年時から正確なキックを武器にスタンドオフとして活躍してきた筒口允之キャプテン(4年)のもと、日本一を誓って再始動した。
今春はけが人が多かったことに加え、U20日本代表チームに森仁之輔選手(3年)、太安善明選手(2年)、川越功喜選手(同)が招集を受け、中心選手が不在となるなか、関西大学春季トーナメントに臨むと、準決勝で関西学院大学に敗れ、4位に留まった。
大会後、小松節夫監督(61歳)は「スクラムなど、フォワード陣のセットプレーの不安定さが結果に出た」とチームを分析。秋のリーグ戦に向けて、セットプレーの強化を中心にハードトレーニングを重ねた。
夏には、長野県上田市にある菅平高原で恒例の合宿を実施。全国各地から集まった強豪チームと練習試合を重ねるなか、昨年の全国大学選手権準優勝の明治大学に29-28で競り勝つなど、調子を上げていった。
素早いパスでトライ量産
9月22日、リーグ戦が開幕。天理大学は初戦で白星を挙げると、続く同志社大学、立命館大学にも勝利。3連勝で関西大学との第4節を迎えた。
開始直後、敵陣10メートルラインでパスを受けたナイバルワガ・トマシ選手(4年)が相手ディフェンス陣を振りきって走り抜き、先制トライ。しかし、その後は天理大学がトライを重ねるもミスが目立ち、31-14で前半を終える。
天理大学は後半9分、藤原竜之丞選手(同)のトライを機に勢いに乗る。素早いパス捌きで敵陣に切り込むなど点差を引き離して関西大学を圧倒。64-21で勝利し、リーグ4連勝を飾った。
なかでも、この試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲得した1年生の山田晟大選手は、4トライを挙げる大活躍を見せ、ニューウェーブの台頭を予感させた。
小松監督は「前半は簡単にトライを取られて嫌な感じもあったが、後半はきちんと修正し、関西大学の前に出てくるディフェンスにも引かず、こちらから体を当てて戦えていた。また、スクラムも安定していた。春の調子が良くなかったこともあり、いまは『リーグ戦で一試合一試合、成長していくこと』をテーマに掲げている。選手の個性も発揮され、少しずつ良くなってきている」と手応えを語った。
筒口キャプテンは「トライを取りきれたのは良かったが、簡単に点を奪われたところは、しっかり修正していかなければ。次戦相手の関西学院大学もアタックが強いチームなので、コミュニケーション不足だった点を反省し、精度の高い、天理らしい泥臭いディフェンスで戦っていきたい」と話している。
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天理大学の次節は11月10日、大阪市の鶴見緑地球技場で、同じくリーグ戦4連勝中の関西学院大学と対戦する。