リーグ新記録 8季連続優勝 – 天理大学野球部
2024・11/6号を見る
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天理大学野球部は10月13日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われた阪神大学野球秋季リーグ最終戦で大阪産業大学と対戦。10-0で完封勝利し、リーグ新記録となる8季連続優勝を成し遂げた(写真上)。
今年1月、助監督を長年務めた三幣寛志氏(44歳)が新監督に就任。全国レベルの投手を打ち崩せない試合が多かった過去の反省を踏まえ、打線の強化に注力した。その結果、春季リーグではリーグタイ記録となる7季連続優勝を勝ち取った。
続く「全日本大学野球選手権大会」では、トーナメントを勝ち進み、チーム初のベスト4入りを果たしたが、同大会で優勝した青山学院大学に準決勝で敗れた。
その後、杉下海生キャプテン(3年)のもと、新チームが始動。春の結果を受け、三幣監督は「バッテリー中心に守り勝つ野球を、あらためて意識した」という。練習では〟失点を抑えるための投球術〟を繰り返し指導してきた。
〝守り勝つ野球〟で 関西選手権へ
9月7日、秋季リーグ開幕。昨季キャプテンを務めた下林源太選手(4年)をはじめ、主力にけが人が出るなか、関西外国語大学との開幕戦に臨んだ。
天理大学の先発は、1年時に利き腕のひじを故障し、トミー・ジョン手術を経験した長野健大投手(4年=同右)。多彩な変化球とコントロールの良さが持ち味の技巧派で、リハビリを経て、昨年春に復帰。今春のリーグ戦では4試合で先発した。
試合は、長野投手が五回を2安打に抑えると、攻撃では五回裏に5得点を挙げる猛攻を見せ、コールド勝ちを収めた。翌日の第2戦もコールド勝ちした天理大学は、最終節までの8試合を順調に勝ち進んだ。
好調の要因について、三幣監督は「セカンドの大森瑛斗選手(2年)やサードの池田優斗選手(1年)など、昨季は控えだった選手が準備を怠らず、試合で力を発揮していた」と分析する。
最終節は大阪産業大学と対戦。勝てば優勝が決まる第1戦は、緊張からか打線が沈黙。チャンスはつくるものの、得点にはつながらず、0-6で完封負けを喫した。しかし、翌日の最終戦を前にリーグ2位の甲南大学が敗れたため、天理大学の8季連続優勝が決まった。
優勝決定後に臨んだ最終戦は、先発の長野投手が五回を無失点に抑えると、後続の投手陣も好リリーフを見せ、ホームを踏ませない。
打っては八回に、今季大活躍の池田選手のセンター前ヒットを皮切りに一挙6得点。10-0の八回コールドで勝利した。
なお、長野投手が最優秀選手賞、最優秀投手賞などに選ばれ、ほか5選手が表彰を受けた。
この結果を受け、天理大学は11月1日から大阪市南港中央野球場で行われる「大阪市長杯争奪関西地区大学野球選手権大会兼明治神宮野球大会関西地区代表決定戦」に出場する。天理大学の初戦は1日、関西学生野球連盟代表の関西学院大学と対戦する。
三幣監督は「近年、上級生を中心に、部員が主体的に考えて練習に取り組むことができている。その姿が、主力メンバーを欠きながらも優勝できたチーム力に表れたと感じる。次の関西選手権では連覇を目標に掲げて、『バッテリー中心に守り勝つ野球』で戦っていく」と抱負を語る。
杉下キャプテンは「優勝の喜びはひとしおだったが、〝連覇〟へのプレッシャーも大きかったので、正直言って、ほっとしている。創部初の大学日本一に向けて、次の関西選手権でも優勝の栄冠を手にしたい」と話した。
(10月30日記)