この冬 全国に挑む天理高校生たち
2024・12/4号を見る
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先ごろ全国大会出場を懸けた予選を戦い抜き、優秀な成績を収めた天理高校の三つのクラブが、年末年始に開かれる〟冬の全国〟への出場切符を手にした。ここでは、6年ぶりに「全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)」への出場を決めたバスケットボール部男子を中心に、各クラブの意気込みを紹介する。
チーム力の底上げで初戦突破へ バスケットボール部男子
バスケットボール部男子は11月10日、「ウインターカップ」奈良県予選決勝で奈良育英高校に勝利し、6年ぶり3回目の全国大会出場を決めた。
今年1月、新チームの実力を占う「奈良県高校バスケットボール新人大会」の決勝リーグで全勝優勝を果たした同部。夏にも県予選を勝ち抜き、5年ぶりにインターハイ出場を決めた。
しかし、本戦では初戦敗退。この結果に、近藤大祐監督(37歳)は「後半は疲れで失点を重ねた。チームとして40分間戦えるよう、戦力の底上げをしなければ」と分析。冬に向けて猛トレーニングを重ねた。
そんななか急成長を見せたのは、チーム最長身183センチの阪野喬洋選手(1年)。積極的にリバウンドを取るなどの献身的なプレーが評価され、ウインターカップ県予選からはスターティングメンバーとして出場している。
県予選決勝では前半、奈良育英高校にリードを許したものの、後半は相手のシュートをしっかりと防ぎ、逆転に成功。72-70の僅差で勝利した。同部は今年度、春・夏・冬の県大会をすべて制し、初の県3冠を達成した。
岡田空キャプテン(3年)は「平均身長の低いチームなので、走り負けないよう運動量を上げたい。まずは初戦突破が目標」と意気込みを語る。
ウインターカップは12月23日から東京都の東京体育館などで行われる。天理高の初戦は24日、市立船橋高校(千葉)と対戦する。
メンタル鍛え悲願の1勝誓う バレーボール部男子
バレーボール部男子は、先ごろ行われた「全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)」奈良県大会決勝で添上高校と対戦。3-1で下し、2年ぶり11回目の全国大会出場を決めた。
インターハイでは、緊張から力を出しきれずに初戦敗退。その後、普段から大舞台を意識して練習に取り組んだ。さらに、昨年から月に一度続けている「メンタルコーチング」を通じて、〝試合を楽しむ心〟の持ち方などを学んだ。
県予選決勝では、リベロ経験者をコート上に多く置く新フォーメーションで添上高を翻弄し、3-1で勝利した。
山下貴弘監督(48歳)は「県大会では、バレーを楽しんでプレーすることができた。全国大会でも全力プレーを心がけ、悲願の1勝を挙げられたら」と。
春の高校バレーは来年1月5日から、東京体育館で行われる。
選抜大会にアベック出場 ホッケー部男女
ホッケー部は先ごろ、「近畿高校選抜ホッケー大会」で勝ち上がり、「全国高校選抜ホッケー大会」へのアベック出場を果たした。男子は30大会連続44回目、女子は2年連続21回目の出場となる。
守備からリズムをつくり、攻撃につなげることを得意とする男子。これまで個人プレーに走る場面が多かった反省を踏まえ、普段から選手間のコミュニケーションを重視し、チーム一丸となって戦えるよう意識してきた。
平尾龍太郎キャプテン(3年)は「優勝を目標に、相手チームの動きをしっかりと分析して戦っていく」と話す。
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一方、「少ないチャンスをものにするために、リスクを減らすことを常に意識している」と女子。危険なゾーンで安易にパスを出さないことなどを心がけている。
山本果実キャプテン(同)は「全国では粘り強く諦めない気持ちで戦う。支えてくれた先生や先輩方への感謝を、プレーで伝えられたら」と語る。
選抜大会は、12月21日から岐阜県各務原市の川崎重工ホッケースタジアムなどで行われる。