春の全国大会へ 2度目の挑戦 – 天理中学校野球部
2025・2/12号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。

天理中学校野球部は、昨年秋の「奈良県中学校新人野球大会」で優勝し、3月21日から岡山県倉敷市の倉敷スポーツ公園マスカットスタジアムなどで開催される「文部科学大臣杯第16回全日本少年春季軟式野球大会ENEOSトーナメント」に2度目の出場を決めた。目下、約1カ月後に開幕する全国大会に向けて、猛練習に励んでいる。
2024年夏の「奈良県中学校総合体育大会」では、3回戦負けを喫した同部。この結果を受けて、当たり前のことを一生懸命行おうとの思いを込めて、「凡事徹底」をスローガンに掲げ、新チームがスタートした。
新キャプテンは、エースの木村恵瑠投手(2年)。新チーム始動を機に捕手から投手へ転向した木村投手は、最速125キロのストレートを武器に気迫で投げる“パワーピッチャー”だ。
池本司監督(39歳)は「新チームが始まってすぐの練習試合で投げさせてみたところ、コントロールが良く、マウンドさばきも様になっていたので、本格的に投手を任せてみた」と話す。
また、「エースピッチャーを軸に『守り勝つ野球』を目指している」という。外野陣の守備も堅く、なかでもセンターの谷森大嗣選手(同)については、「守備範囲が広く、プレーの安定感もある」と評価する。
2024年秋の県新人戦では、初戦を5‐0で勝利すると、その後も相手打線を封じて、危なげなくトーナメントを勝ち進んだ。
富雄南中学校との決勝では、三回表に相手チームのエラーで先制点を挙げると、続いて木村投手がタイムリーヒットを放ち、2‐0。木村投手は打撃面で大活躍し、五回と七回にもランナーをかえして4‐1とリードを広げると、投げても七回5安打1失点で完投。結果、4‐1で県新人戦優勝を果たし、11年ぶり2度目の全日本少年春季軟式野球大会出場を決めた。
また、県新人戦後の昨年11月には「近畿秋季少年軟式野球大会」に出場。初戦では、同大会で優勝した高槻クラウン(大阪府代表)を相手に、0‐0と最後まで接戦を演じたものの、抽選負けとなった。
11年ぶりの全日本少年春季軟式野球大会に向け、オフシーズンは走り込みや守備練習を続け、守り勝つ野球で戦えるよう鍛えている同部。池本監督は「これまで全国ベスト8の壁を越えたことがないので、『守り勝つ野球』で一つでも多く勝利を重ね、トーナメント上位を目指す」と話している。
この冬、体づくりを意識して体重を5キロ増やしたという木村投手は「守備でリズムをつくって、しっかりチャンスに点を取っていきたい。勝ち上がれば、メーン球場である倉敷マスカットスタジアムで試合ができるので、上位進出を目指して頑張りたい」と意気込みを語った。