天理時報オンライン

新しい経験を後世に残す


紙面レイアウト
2025・3月号を見る

姿はグロテスクですが、酢の物にすると美味しいナマコ。初めて食べた人は偉いと思います。あるいは納豆。一見、糸を引いている腐った大豆のようで、臭いも独特です。

フグ毒には青酸カリの千倍の毒性があるといわれます。肝臓や卵巣などに含まれていると分かり、除去して安心して食べられるまでに、いったい何人が命を落としたのでしょう。

私たちの食文化は、はるか昔から先祖が積み上げてきた経験のうえに成り立っています。だからこそ誰もが、何も疑わずに食べることができるのです。

先人の経験が今の常識を創り上げている。だとすれば、私たちが初めて経験していることも、未来の常識を創り上げるはずです。生成AIの発達や、気候変動に伴う自然災害、あるいは新しい疫病の流行にしても、これからの私たちの経験が役に立つと信じます。

失敗を恐れず挑戦し続け、たくさんの経験を後世に残すことは、私たちの使命かもしれません。

Cha


【天理いきいき通信2025年3月号】の記事が他にもあります。