特集 「能登半島地震」教内の救援続報 輪島市社協の要請を受けて直属教会がイベントに協力
2025・4/16号を見る
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被災地の復興に向けて一手一つに
教友有志が「陽気ぐらしの心」伝えて
「令和6年能登半島地震」から1年3カ月が経過した。甚大な被害に見舞われた石川県能登地方の被災地では、いまも地震の爪痕が色濃く残る。本教では、地震発生の直後から災害救援ひのきしん隊をはじめ、直属教会や教区・支部などの団体や個人が被災地へ赴き、救援活動に取り組んできた。こうしたなか、2日に泉大教会をはじめとする七つの教会が、3日に飾東大教会が、輪島市社会福祉協議会(=社協)の要請を受けて復興イベントの開催に協力した。
コミュニティー再生の支援を
「春の陽気フェスティバルin輪島」
七つの教会が合同で
泉大教会をはじめ、堺、大江、南、此花、網干の各大教会と、髙安大教会部属の泉東分教会の教友たちは2日、輪島市社協の要請を受け、同市の輪島キリコ会館前で「春の陽気フェスティバルin輪島」と題したイベントを開催。計105人の教友が被災地に駆けつけ、仮設住宅で暮らす被災者を対象とするイベントで、炊き出しやステージのスタッフとしてひのきしんに当たった。
このイベントは、昨年3月から能登地方の被災地で救援活動を継続している泉大教会(茶谷良佐会長・大阪府堺市)が、輪島市社協から「被災者同士のコミュニティー再生に向けた支援活動を」との要請を受け、被災者同士のつながりを強めることを目的に企画したもの。
この日に向け、茶谷会長は各大教会・分教会の会長らの協力を得て事務局を立ち上げ、2月初旬から社協や各会長、担当者などによるウェブ会議を重ねてきた。
その中で、「炊き出し支援」と「ステージ演出」のほか、子供たちにも喜んでもらえるよう「こども広場」を設けることが決定。各教会でスタッフを募るとともに、入念に準備を進めてきた。
当日、各教会の会長をはじめ婦人会員、少年会員、青年会員、学生会員など計105人のスタッフが輪島キリコ会館前に集合。開場前から100人を超える来場者が長蛇の列を成した。
イベント開始に先立ち、全体ミーティングの席上で茶谷会長は「どうか、この支援活動を通じて、『陽気ぐらしの心』を少しでも伝えることができるよう、心を合わせて努めよう」とスタッフ一同に呼びかけた。
午前11時、フェスティバルがスタート。「炊き出しブース」では、泉、堺、南、網干の四つの大教会が韓国風おでん、フランクフルト、唐揚げ、いなり寿司など10品を提供。「こども広場」では、綿菓子やミルクせんべいが提供されたほか、ピッキーのエアートランポリン、輪投げ、ストラックアウトなどのゲームコーナーが設置され、会場を訪れた子供たちが思い思いに楽しむ姿も見られた。また、3トントラックの荷台に設けたステージでは、ドラムパフォーマンスや歌唱の披露などが行われた。


茶谷会長(52歳)は「教祖年祭活動の旬に被災地復興を目指して教友が集い、一手一つに復興イベントを開催できたことで、被災地に少しでも陽気ぐらしの種蒔きができたのではないかと思う。一れつきょうだいの自覚を持ち、小さいことからでも困っている人のお手伝いをする、その積み重ねによって、その先にあるおたすけにつながるよう、これからも被災地支援を続けていきたい」と話した。
(泉大・谷和社友情報提供)
ほっと一息つける場に
「輪島ふれあい祭り」
飾東大教会
飾東大教会(紺谷清一郎会長・兵庫県姫路市)は3日、輪島市の輪島キリコ会館前を会場に「輪島ふれあい祭り」と題したイベントを開催。同大教会の教友有志120人がスタッフとして参集し、被災者に対して焼きそばやフランクフルトなどの食事の提供や、ビンゴゲームなどのお楽しみ行事を催した。
同大教会では、昨年の能登半島地震の発生直後から被災地での炊き出しなどを実施。その後、ボランティアセンターからの要請に応えて救援活動に力を尽くした。
今年1月、被災地での支援活動を30回で区切りをつけることとし、最終となる4月3日の活動に向けて、被災者が少しでもほっと一息つけるような支援内容を模索。同市社協の協力のもと、一人でも多くの人が楽しめるよう、屋台やお楽しみ行事などをプログラムに組み込んだイベントを催すことになった。
実施に向け、同大教会の有志が物品を用意・調達したほか、会場や水道電気などの設備については社協と連携して準備を進めた。
当日午後3時すぎ、スタッフのアナウンスでイベントがスタート。雨天にもかかわらず500人以上が来場し、会場に設けられた屋台やゲームコーナーは大いににぎわった。
この後、お楽しみ行事として、同大教会の鼓笛隊が、こどもおぢばがえりソング『ありがとう! 夏のおぢば』を演奏したほか、雅楽演奏も披露された(写真)。
このほか、来場者全員が参加できる催しとして、イントロクイズとビンゴ大会が行われた。
行事責任者の本庄理人さん(51歳・飾磨分教会長)は「多くの来場者の喜ぶ様子を見ることができて、自分たちも喜ばせてもらった。事前に行事参加を呼びかけた際、地元の皆さまは『天理教さんのイベントなら参加します』と快く受け入れてくださった。本教の教友たちによる災害救援活動が、地域の人たちの信頼や天理教の認知につながっていることを実感した。これからも、被災地復興への思いを胸に、日々できることからおたすけに励んでいきたい」と語った。
(飾東大・吉田社友情報提供)