駐日モンゴル大使が来訪 – 天理参考館
2025・5/14号を見る
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天理参考館第98回企画展 初公開「モンゴル家系図」が話題
既報の通り、天理参考館(橋本道人館長)は現在、「天理大学創立100周年記念」と銘打って第98回企画展「絆 ヒトとヒトをつなぐモノ」を開催している。
今展では、人と人がつながり合う中で作られ、使用され、伝承されてきたモノが「結ばれる絆」「深まる絆」「受け継がれる絆」の三つのカテゴリーに分けて展示されている。
なかでも注目を集めているのが、今回初公開された世界最大級のモンゴル家系図だ。直径約5.6㍍に及ぶ円形の家系図は、帯状の木綿布10枚を縫い合わせたもので、モンゴル帝国の創始者であるチンギス・ハーンの子孫から始まる、およそ1万2000人の名前が放射状に広がるように記されている。
公開後、NHK奈良放送局の公式Xアカウントが本件のニュースを投稿すると、約1万7000件の「いいね」が付くなどの反響が全国各地から寄せられた。このニュースはモンゴル国でも報じられ、現地に大きな驚きをもたらしている。
大使館の要請受け
こうしたなか、駐日モンゴル大使館のバヤルサイハン・特命全権大使が4月30日、天理参考館を訪問。これは、今回の家系図公開をめぐる報道を受けて、大使館側から急遽要請があったもの。
当日、参考館に到着したバヤルサイハン大使は、梅谷昭範・学芸員の案内でモンゴル家系図を見学。熱心に説明に耳を傾けながら、時折、質問を投げかける場面も見られた。
この後、巽善信・副館長の案内のもと、常設展と企画展をおよそ1時間かけて鑑賞した。
バヤルサイハン大使は天理時報の取材に対し、「天理参考館では、世界中の貴重な民俗資料が大切に保管されていることにまず驚かされた。また、3000年から4000年前の遺物を目の当たりにし、深く感動した。今回、モンゴルの歴史と深い関わりを持つ家系図が日本で発見されたことは、モンゴル国内でも大きな話題になっている。大モンゴル帝国やチンギス・ハーンにまつわる伝統の中で、こうした“本物”の家系図が天理市で丁寧に保管されていることに安心した。今後の学術研究にとって貴重な資料になると思う。研究者の皆さんには、ぜひ生の資料として活用いただき、今後さらにモンゴル研究が進展すればうれしい。今展をきっかけに、モンゴルと天理市、さらには日本との交流がより深まっていくことを期待している」とコメントした。
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なお、4月30日放送の『ならナビ』(NHK奈良放送局)で、モンゴル家系図のニュースとともに、バヤルサイハン大使来訪の様子が紹介された。
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同展の会期は、6月2日まで(休館日は5月20日、27日)。開館時間は、午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)。