言葉や文化の壁を超えて – 視点
2025・6/4号を見る
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総務省が5月4日、翌日の「こどもの日」に合わせて発表した最新の統計によると、2025年4月1日時点の日本国内における15歳未満の子供の人口は1千366万人で、前年から35万人減少し、過去最少記録を更新した。1982年以降続く少子化の傾向は、これで44年連続となった。全人口に占める子供の割合も11.1%にまで低下し、若年層における人口減少の深刻化が一層際立っている。
また、2024年11月1日時点での外国人を除く日本人の人口は1億2千22万7千人で、前年から89万人減少しており、少子高齢化はますます進行している。さらに、団塊の世代が後期高齢者に達する「2025年問題」や、生産年齢人口比率が6割を割り込むとされる「2030年問題」の影響も懸念されるなど、人口構造の変化に伴う社会的課題が山積している。
こうした労働人口の減少への対策として、外国人労働者の受け入れの拡大が進められている。この結果、2024年末には在留外国人が約376万人に達した。また、同年の訪日外国人旅行者数は3千686万9千900人と、いずれも過去最多を更新した。いま多くの日本人が国際交流の場を日常的に持つ機会が広がりつつある。
ちょうど100年前、教祖40年祭を翌年に控えるなか、中山正善・二代真柱様は海外布教を担う人材を育成すべく天理外国語学校を設立された。戦前、卒業生である筆者の祖父も当時の満州国新京へ渡り、単独布教の末に教会を設立した。現在、筆者が会長を務める当教会は奈良市内にあるが、教会周辺では普段から観光目的の外国人が大勢行き交う。知り合った外国人とは、インターネットやSNSを活用すれば、交流を維持し、深めることもできる。まさに“国内にいながらにして海外布教が可能な時代”に入ったことを実感している。
一方で、外国人への布教は言語や文化の問題があり、一筋縄ではいかないのも事実だ。しかし筆者自身の経験上、ご存命の教祖のお伴として布教に歩く中で、言葉や生活習慣の壁を超えたにをいがけが実現することがある。
そうした親神様の不思議なお働きをお見せいただくためにも、教祖140年祭を来年に迎えるいま、一人でも多くのようぼくが日常生活の中でにをいがけ・おたすけを心がけたい。その積み重ねこそが、陽気ぐらしの教えを世界へ伝え広めるための礎になると考える。
(村田幸)