ライバルに競り勝ち春夏連続の甲子園へ – 天理高校野球部
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天理高校野球部は7月28日、奈良県橿原市のさとやくスタジアムで行われた「全国高校野球選手権奈良大会」決勝戦で、3連覇を目指すライバル・智辯学園高校と対戦。3-2で接戦を制し、3年ぶり30回目の甲子園出場を手にした。
昨秋、「守り勝つ野球」を合言葉に「秋季近畿地区高校野球大会」奈良県予選で優勝し、近畿大会ではベスト4まで勝ち進んだ同部。この結果を受け、今春には3年ぶりとなる「選抜高校野球大会」に出場した。
4月中旬、夏の前哨戦となる「春季近畿地区高校野球大会」奈良県予選では、快打でトーナメントを勝ち進み、2年連続優勝を果たした。
継投リレーで接戦制す
7月11日、奈良大会が開幕。昨秋から県内公式戦負けなしの同部は、初戦を五回コールドで突破すると、続く3、4回戦もコールドで勝ち上がった。
奈良大学附属高校との準決勝では初回、先発の松村晃大投手(3年)が立ち上がりに捕まり、先制を許したが、その裏に連打や相手チームのエラーなどで一挙5得点。5-2と逆転に成功すると、さらに六回には冨田祥太郎選手(同)の4試合連続ホームランが飛び出し、流れは天理高校へ。投げても3投手の継投策が功を奏し、6-4で決勝進出を決めた。
迎えた決勝戦。智辯学園高校が先制するなか、天理高校は二回表、1死二、三塁のチャンスで、この日先発の松村投手がバッターボックスへ。甘く入った球を見逃さずフルスイングした一打は、レフトスタンドへと飛び込む逆転3ランホームランとなった。
松村投手はその後、五回途中まで1失点の好投を見せ、今春の県大会でノーヒットノーランを達成した左腕・橋本桜佑投手(2年)にバトンタッチ。サイドスローの橋本投手は、次々と相手打者を仕留めていく。
七回裏、1死満塁のピンチでは長尾亮大投手(同)が登板。緻密なコントロールで無失点で切り抜けると、八回は2奪三振と安定したピッチングを見せた。
1点リードで迎えた九回裏、試合終了まであと1アウトと迫りながらも、ヒットやフォアボールで粘られ、満塁のピンチを迎えたものの、代打の相手打者をレフトフライに打ち取り、ゲームセット。3-2で3年ぶり30回目の甲子園出場を決めた。
藤原忠理監督(59歳)は「接戦になることは予想していたので、慌てることなく試合を進めることができた。事前に考えていた継投策がぴったりはまり、投げ勝つことができた。甲子園には挑戦者の立場で臨みたい」と話している。
永末峻也主将(3年)は「春のセンバツは1回戦負けという悔しい思いをしたので、夏の戦いでその悔しさを晴らせたら。『守り勝つ野球』をもう一度徹底的に鍛え直して挑みたい」と意気込みを語った。