温和に寄り添う「優しい」人に
「優しい」の語源は「痩さし」。つまり、痩せているという意味だそうです。そこから「痩せ細るほどつらい」「みすぼらしく恥ずかしい」という意味が生じました。
その後、つらさを抱えて恥ずかしそうな様子が、どこか控えめであることから「慎み深い」という意味になり、さらに「上品だ」「温和だ」という意味へと変わっていったようです。
ともあれ、痩せていてみすぼらしいというネガティブな状態の中に、肯定的な一面をも重ねて発見してきた日本人。このように意味を変化させてきた眼差しこそ、このうえもなく「優しい」と思います。
考えてみれば、身も細るほどつらいことを経験した人は、そういうつらさを抱えた人の気持ちが一番よく分かる人です。決して他人を責めず、ありのままを受け入れ、温和に寄り添うことができる「優しい」人なのです。
人と向かい合う姿勢は、いつもかくありたい。そう思っています。
Cha