学生世界大会で準Ⅴ – 天理高校水泳部OBの大蔵礼生選手
2025・9/10号を見る
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天理高校水泳部OBの大蔵礼生選手(近畿大学3年・名京大教会ようぼく)は先ごろ、ドイツで開かれた「FISUワールドユニバーシティゲームズ」競泳競技男子50メートル平泳ぎで銀メダルを、男子4×100メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得した。
姉の影響で4歳からスイミングスクールへ通い始めた。天理小学校で水泳クラブ、天理中学校で水泳部に所属するとともに、週2回スイミングスクールへ通った。習い事を掛け持ちした時期もあったが、中学2年から水泳に専念するようになった。
キックが得意で、幼いころから平泳ぎを専門としている大蔵選手。中学3年時には「全国中学校水泳選手権大会」に出場し、天理高校時代に「全国高校総合体育大会水泳競技大会」男子100メートル平泳ぎで3位入賞した。
その後、関西の強豪校である近畿大学へ進学。新天地での挑戦について、「先輩や同級生がとても速くて、練習もハード。しんどい環境ではあるが、たくさんの経験を積み、良い刺激を受けられた」と話す。
進学後、すぐに頭角を現し、1年時からチームのレギュラーとして「関西学生選手権水泳競技大会」などに出場。昨年9月の「日本学生選手権水泳競技大会」では、男子100メートル平泳ぎで2年生ながら優勝を果たした。
国際大会に初挑戦
今年3月、東京アクアティクスセンターで開かれた「日本選手権水泳競技大会」に出場。ワールドユニバーシティゲームズなど国際大会への選考会を兼ねた同大会で好成績を残し、男子50メートル平泳ぎ、同100メートル、男子4×100メートルメドレーリレー、男女混合4×100メートルメドレーリレーの4種目で、初の国際大会への出場権を手にした。
4月の代表メンバー発表後、関西選手権などの公式試合に4週連続出場した大蔵選手。あえてハードな環境に身を置くことで、本番に向けたレース感覚を養ってきた。
国際大学スポーツ連盟(FISU)が主催するワールドユニバーシティゲームズは2年に一度開かれ、全世界の学生が集まることから“学生のためのオリンピック”とも呼ばれている。
初日の男子100メートル平泳ぎでは、本来の実力を発揮できず予選敗退。「時差ぼけや渡独のストレスもあり、いつもの泳ぎが全くできなかった」と悔しさをにじませる。
それでも、後日出場した同50メートルでは調子を取り戻し、予選と準決勝を順調に通過。決勝では「楽しんで行こう」と入水すると、スタートでやや出遅れたものの、後半で猛烈な追い上げを見せ、準優勝を手にした。さらに、男子4×100メートルメドレーリレーでは、日本代表の3位入賞に貢献した。
大蔵選手は「初の国際大会での銀メダル獲得はうれしくもあり、優勝できなかった悔しさもある。入水の時点で体半分くらい離されていたりと、海外選手との力の差を強く感じたので、これからはスタート技術に磨きをかけていく。まずは4日に開幕する日本学生選手権連覇に向けて、最終調整に臨みたい」と話している。
(9月3日記)