被害甚大な地域で救援活動に力尽くし – 災救隊
2025・9/24号を見る
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9月初旬、日本列島に上陸した台風15号の影響により、静岡県各地で竜巻や突風が発生。国内最大級の竜巻が観測された牧之原市では1100棟以上の民家が被災した。こうしたなか、災害救援ひのきしん隊(=災救隊、冨松基成本部長)静岡教区隊(小塚嗣夫隊長)は、同市災害ボランティアセンターの要請を受け、初動救援を開始。また、8月に豪雨被害に遭った熊本県上天草市へ2次にわたり出動した熊本教区隊(川﨑一保隊長)は9月5日、第3次隊が出動した。(9月16日記)
竜巻による被災地へ
災救隊静岡教区隊
静岡県内では、台風15号の影響で発生した竜巻などにより、人的被害が死者1人、重・軽傷83人、住宅被害が全壊2棟、半壊176棟、一部破損1572棟、床上浸水53棟、床下浸水331棟に上った。
災救隊静岡教区隊では、被災直後に小塚隊長(50歳・此岡分教会長)が牧之原市などを視察し、被災状況の把握に努めた。その後、同市災害ボランティアセンターからの要請を受け、9月11日から21日にかけて4次にわたる出動を決定。一般ボランティアでは対応が困難と判断された現場での作業を任されることになった。
第1次隊(9月11~13日)の出動初日である9月11日、被災教会に集合した隊員たちは、竜巻により吹き飛んだ教会建物・教職舎の屋根瓦の運搬をはじめ、ブルーシート張りや倒壊した倉庫の撤去作業に従事した。このほか、ボランティアセンターの要請を受け、農家の倒壊したビニールハウスのビニール剥がし作業にも尽力。9月12、13の両日も引き続き、被災教会の屋根瓦撤去や、農家の倒壊したビニールハウスのビニール剥がし作業を行った。第1次隊の期間中、延べ64人が出動し、2トントラック約9台分の瓦礫やビニールなどの“災害ごみ”を運搬した。
第2次隊(9月14~16日)は、ビニールハウスのビニール剥がし作業を継続するとともに、被災教会の倉庫の整理や天井補修などに取り組んだ。期間中、延べ68人が出動し、2トントラック約10台分の災害ごみを運搬した。
なお、9月17日から19日に第3次隊が、9月20、21の両日に第4次隊が出動し、ビニールハウスのビニール剥がし作業を継続する予定。
全3次にわたり出動
災救隊熊本教区隊
既報の通り、災救隊熊本教区隊は、8月上旬に発生した「線状降水帯」により、建物の全・半壊などの甚大な被害に見舞われた上天草市で救援活動を展開。8月16日から18日にかけて第1次隊、8月30日から9月1日にかけて第2次隊が出動し、浸水被害に遭った信者宅や一般民家で、家財道具の搬出や敷地内に流れ込んだ土砂の撤去作業などに従事した。
9月5日からは第3次隊が出動。第2次隊で救援活動を行った民家へ引き続き赴き、敷地内に流入した大量の土砂を重機でダンプへ積み込んで搬出したほか、敷地の整地と石積み作業に力を尽くした。
同教区隊は、全3次にわたり延べ119人が出動。2トンダンプ計22台分の土砂を撤去したほか、家財道具などの災害ごみの搬出、整地、消毒などを行った。
川﨑隊長(62歳・人吉分教会長)は「救援活動を行った被災民家に住む方が大変感謝してくださった。今後も地域のニーズに応えられるよう、ボランティアセンターと連携していく」と話した。