結果を急がず経過から学ぶ
高校生のころです。ある推理小説をワクワクしながら読み始めた私に、友人がこう言いました。「犯人は××だよ」。ひどい友人がいたものですね。それからあとの内容はまったく面白くなく、楽しみを奪われてしまいました。
しかし、大人になって子育てをする際に、ふと同じようなことをしている自分に気がついたのです。
たとえば子供が「こうしたい」と言ってきたとき、「それはこうなるよ」と、結果を先に告げるようなことをしてはいないか。「じゃあ、やってみれば」と言えば、たとえ失敗したとしても、その経過からたくさんのことを学べるのではないか。そう思ったのです。
現代社会は結果を出すことに重きを置く風潮があります。「けっか、けっか」と、切羽詰まって答えを急ぐのではなく、ちょっと立ち止まって「け」と「か」の間に一息入れて「けーか」(経過)を楽しむ。「経過から学ぶ」。そんな心の余裕を持ちたいと思っています。