誠真実の心を尽くして – 視点
2026・1/28号を見る
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天理はスポーツが盛んな町として知られる。天理高校、天理大学と聞けば、運動部の活躍を思い浮かべる人は多いだろう。学校が長期休みに入ると、全国各地から若者たちが合宿練習のために訪れ、天理の町は連日にぎわいを見せる。
数年前のこと。天理での合宿練習に参加する、ある高校のバスケットボール部から、私どもの詰所で宿泊させてもらえないかと連絡があった。関係者との面識はなかったが、これも神様が結んでくださった縁であると、「底なしの親切」を心がけて、詰所スタッフ一丸となり受け入れさせていただいた。以来、毎年の合宿を求められるようになった。
ある年、同部の先生から「天理大学を受験する女子生徒がいるので、詰所で宿泊させてもらえないか」と相談があった。大歓迎でお引き受けしたところ、彼女は無事に合格し、翌春から学生寮で生活を始めた。
入学後、間もなくして、彼女から「別席のお話を聞かせていただきたいのですが……」と連絡があった。未信仰家庭で育った彼女からの突然の申し出に驚いたが、喜んで世話取りをさせていただき、彼女は1年生の終わりごろ、晴れてようぼくの仲間入りを果たした。
その後、天理大学を卒業し、社会人として頑張っていた彼女から「結婚します」とうれしい知らせがあった。相手は大学の同級生で、なんと教会長後継者であるという。ほどなくして二人は結婚し、現在は北海道の教会で元気にお道を通っている。また、結婚を機に彼女の家族も別席を運び、さらにはバスケットボール部の顧問の先生方も別席を運ばれることになった。
この“夢のような物語”は、なぜ生まれたのか。当事者である彼女に尋ねてみたことがある。すると「入試のために初めて天理に来た。右も左も分からないなか、詰所の方たちがとても親切に接してくれた。この方たちが信仰している天理教って、どういう教えなのか知りたくなり、別席の話を聞こうと思った。また寮で生活していると体調を崩す人もいる。そうしたときに、寮の先輩がおさづけを取り次ぎ、周りも懸命に添い願いをしている姿を見て、この人たちはどうしてこれだけ人に尽くせるのだろうかと関心を持った。やがて私もそうした人になりたい、一日でも早くおさづけの理を戴いて、人のために祈る人になりたいと思い、毎月欠かさず別席を運んだんです」と教えてくれた。
これを「にをいがけ」というのであろう。私たちが心を尽くした誠真実は、こうして香しい「にをい」となって人々を魅了し、この道の教えは広まっていく。彼女の語りに、あらためて布教の原点を見た思いがした。
(金山)











