相手に合わせた伝え方 – 視点
チャット型のメッセージをやりとりする機会が増えるなか、「おじさん構文」と呼ばれるものがあるそうだ。1.絵文字を多用し、句点が多い 2.唐突なカタカナや自分語りが入る 3.長文になりがち――という特徴があるらしい。
チャット型の短い文章に慣れた若者の中には、上司や取引先から「おじさん構文」のメッセージが送られてきて戸惑う人が少なくないという。筆者自身、過去のLINEメッセージを振り返ってみると、典型的な「おじさん構文」だったことに気づく。「相手との距離感を縮めたいけれど、嫌われたくもない」との思いで配慮したつもりだったが、受け取る側の若者にとっては、世代間ギャップを感じさせる結果になったようだ。
手紙は時候のあいさつから始め、ビジネスメールも近況報告を交えた文章を書くよう指導されてきた中高年世代。片や、SNSでのチャット型メッセージのやりとりが当たり前な若者世代との間に、意識の差が生じるのは仕方ないことなのだろう。
本紙読者の中には、まだまだチャット型メッセージに慣れない人もいるだろう。短い文章で思いを表現するため、話し言葉が多くなると中高年は違和感を覚えるが、若者にとっては単刀直入で理解しやすく、心に響きやすいという。その特徴を理解し、相手の胸に届くメッセージを送りたいものだ。
教祖は「おふでさき」を自ら執筆なされた。当時の人々に馴染みのある和歌体で、また、分かりやすいたとえを多く用いて教えを筆に記された。
五七五七七の短い言葉で書かれた「おふでさき」は、何度も読み返すことで繰り返し味わえる。現代のようぼくの中にも、“座右のうた”を胸に生きる人が多くいるだろう。私たちが親しみやすいようにと、うたで教えを伝えてくださった教祖の親心を感じる。
間もなく、秋季大祭に合わせて「諭達」が発布される。全教一丸となって教祖140年祭へ向かう歩みを進めるうえで、「諭達」の精神を伝える際にも、相手に合わせた伝え方を意識したいものである。
(永尾)