つらい思いをしてまで働きたくない – 人生相談
Q.昨年、新卒で就職したものの、「つらい思いをしてまで働きたくない」と感じ、1年も経たずに退職しました。実家暮らしで、自室に引きこもっている現状に焦りを感じつつも、心のどこかで安心しています。ここから、どうすればいいでしょうか。(24歳男性)
A.これまでどのように過ごしてこられたのか分かりませんが、「人生の踊り場」に立ったのかもしれませんね。踊り場は、長い階段の途中にある、小休止や方向転換ができる場所です。
幼いときから周りの言葉に従い、皆に合わせて階段を上がってきて、いざ社会へ出てみたら学校とは全く違った世界に戸惑い、働くことの意味が分からなくなってしまう――。踊り場は、そうした人が、いったん足を止め、自らを振り返ったり、人生や生きる意味についてあらためて考えたりする所です。周囲から見れば引きこもっているだけに見えるかもしれませんが、本人の内面は何かを見いだそうともがき苦しんでいます。でもそれは、生きるうえで必要な壁や試練であり、人生の節の一つでしょう。
就職したばかりのころは、まずは職場に慣れることや与えられた仕事をこなすだけで、役に立っている実感はないでしょう。
「はたはたの者を楽にするから、はたらく」と教えられますが、目の前の人をすぐに楽にする仕事もあれば、陰で支える仕事もあり、好きでしていることが、やがて社会貢献につながる結果を生むこともあります。
本当のあなたは、何がしたかったのか。いまは実家で甘えながらも、じっくりと思案を巡らせてもいいのではありませんか。
回答者:古市俊郎(福之泉分教会長・公認心理師)
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