逆境乗り越え春季リーグV – 天理大野球部
天理大学野球部は5月24日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われた阪神大学野球春季リーグ優勝決定戦で甲南大学と対戦し、2‐0で勝利。3季ぶり20回目の優勝に輝き、第70回「全日本大学野球選手権記念大会」への出場を決めた。(6月2日記)
昨秋のリーグ戦では、1位の関西国際大学に1ポイント及ばず、2位に終わった同部。その後、春季リーグ戦に向けてウエートトレーニングで体づくりに励むとともに、春先には守備や打ち込みなどの強化練習に取り組み、選手個々のレベルアップを図ってきた。
また、他校や社会人チームのほか、プロ野球の阪神タイガース、オリックス・バファローズの2軍チームとも対戦、実戦経験を積んだ。
4月、春季リーグ戦が開幕。抜群のコントロールを持つプロ注目のエース・井奥勘太投手(4年)の“打たせて取る投球”と堅い守りで失点を抑え、順調に勝ち進んでいく。
ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ戦全12試合のうち、3試合の出場辞退を余儀なくされた。その間に甲南大学がリーグ首位に立った。
その後、同部はリーグ戦残り3試合に勝利。不戦敗を除く全勝でリーグ戦を終えると、1位の甲南大にポイントで追いつき、優勝決定戦にもつれ込んだ。
試合が動いたのは五回裏。吉田元輝選手(2年)が右中間へタイムリー2ベースヒットを放って先制すると、友杉篤輝選手(3年)の適時打で得点を重ね、2‐0に。この試合でも井奥投手が好投を見せ、無失点でゲームセット。コロナ禍による逆境を乗り越え、春季リーグ戦優勝を果たした。
藤原忠理監督(55歳)は「選手一人ひとりがしっかりと現状を受け入れ、いつでも全力で試合に臨めるように最善を尽くしたからこその結果だと思う。今回の経験を糧に、野球ができることに感謝して、全国でも精いっぱいプレーしてもらいたい」と語った。
久後健太キャプテン(4年)は「苦しんだ時期もあったが、心を倒さず、チーム全員が一手一つになって優勝を摑み取ることができた。全日本選手権記念大会では、これまで以上に気を引き締めて試合に臨み、優勝を目指したい」と話した。
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なお、第70回「全日本大学野球選手権記念大会」は6月7日から13日にかけて、東京都新宿区の明治神宮野球場と文京区の東京ドームで開催される。天理大は初日午前9時から、明治神宮野球場で南東北大学野球連盟代表の石巻専修大学との開幕戦に臨む。