特別企画 教えを拠り所に今を生きる – HN kamekayo
コロナ下でツイッター、インスタグラムなどSNSを活用 教友とのつながりが“勇みの種”に
50代女性ようぼく
ハンドルネーム(ネット上の通称の意)
kamekayoさん
新型コロナウイルスの感染拡大以降、教内のさまざまな活動が中止を余儀なくされるなか、インターネットを活用して“求道の日々”を送る50代の女性ようぼくがいる。ハンドルネーム「kamekayo」さんは、仕事と家事を両立しながら、日常の“すき間時間”にツイッターやインスタグラムなどのSNS上で「オンライン読書会」などを開いている。こうした取り組みを通じて、地域や世代を超えた教友たちと交流し、共に教えを深めている。また最近では、教友とのつながりを“勇みの種”に、会社の休業日に路傍講演などのにをいがけ実動も始めている。コロナ下にあって、教祖の教えを心の拠り所に今を生きる女性ようぼくの姿を、彼女のこれまでのツイートを交えながら紹介する。
10月初旬。「緊急事態宣言」が解除され、仕事帰りのサラリーマンで溢れる東京・品川駅前で教友と共に路傍講演をする女性がいた。
その表情は信仰の喜びに満ちている。この日、会社の休みを利用して、布教の家「東京寮」の寮生らと共に終日にをいがけに歩いたのに、疲れた様子は見えない。
ネット上で「kamekayo」と名乗る女性は、都内の大教会に所属するようぼく。そのハンドルネームには、つなぎの役割を担うカメに自分を重ね合わせ、人と人をつなぎたいという思いが込められている。
原点となった母親の身上
4年前、信仰熱心な母親が倒れ、病院へ運ばれた。「命の保証はない」という思いもよらぬ医師の宣告にショックを受けたが、頭に浮かんだのは親神様のことだった。
約30年前に未信仰の夫と結婚して以来、教会から足が遠のいていた。最近では、仕事と家事の両立に疲れを感じ、周囲の人に対して不足ばかりを募らせていたことから、自身の心づかいを反省した。そのうえで、母親のたすかりをひたすら願った。
1週間後、母親は一命を取り留めた。とはいえ呼吸が苦しく、声も発せられない状態だったが、kamekayoさんがおさづけを取り次ぐ際には、きちんと両手を合わせた。
その姿を見るうちに「親神様、そして母は、私に何を伝えたいのか」と考えるようになった。その答えを求めて、都内の大教会へ日参して御用に励み、自ら教理勉強に努めた。
その中で悟ったことがある。
「母は一生懸命に通ってきた信心の道を、私や兄弟に伝えたかったのではないか。私の心が変わるまで、待ってくれているのでは――」
kamekayoさんは「母の信仰を受け継ごう」と決心。まずは、共に教えを学ぶ教友とつながろうとツイッターを始め、教友がネット上に発信する教えやお道の考え方にふれた。
Twitter上のみなさんの投稿でたくさん勉強させていただきました。少しでも実行して身につけられるように、ノートに書いて日々読み返したいと思います。
Twitterより(アカウントを開設したばかりのころのツイート。教友の発信に刺激を受ける)
平成30年、母親は安らかに出直した。悲しみは深かったが、kamekayoさんの心は母への感謝の思いに満たされていた。
「お母さん、これからの私を見守っていてね」
教理を深め取り組む中で
母親が亡くなった翌月、ある教友との出会いをきっかけに、大教会を会場に「読書会」を始めた。一人で教理を深めることに難しさを感じていたため、お道の本を教友と一緒に読もうと思ったのだ。
しかし、当初は参加者が少なかったり、感想をうまく聞き出せなかったり、失敗の連続だった。それでも試行錯誤を繰り返した。
相手をよく観る。よく知る。心に寄り添う。優しい言葉をかける。よく聴く。それを続けることをこの場で学んだ。やってみると、相手の中にあるキラキラと光る徳分が見えてくる。(中略)引き出しのご守護だ。
Twitterより(大教会を会場に始めた読書会が、その後の活動につながっていく)
1年半が経ち、読書会の取り組みが軌道に乗りだした矢先、新型コロナウイルスのパンデミックという予想もしない事態が起こった。
「楽しみにしている人がいるし、なんとか続けたい……」
悩んだ末に「オンライン読書会」を思いついた。時間を合わせるだけで、集まる必要がないこの読書会には、地域や世代を超えて教友が集まるように。月に4回、多い日は15人の教友たちと共に、原典や教義書に親しみ、ねり合っている。
回を重ねるにつれて、kamekayoさんは、周囲の人に腹が立つことがあっても、まずは自分の心に矢印を向け、あいさつや感謝の言葉をかけられるようになったという。やがて、人間関係も少しずつ良くなっていった。
今日もいい一日でした。(中略)周りの人に不足させずに済んだこと。笑顔で丁寧に接することができたこと。おやさまを心に感じて過ごせたこと。今生きているということ。夫と会話して笑っていること。仕合わせ。
夫は自宅でも仕事をする。そんな日は私が帰宅すると、「お前がかえってくると家の中が明るくなるなぁ」と言ってくれる。嬉しいなぁ。神様が喜んでいるのかなぁ。
Twitterより(教えを実行に移すことが、自身と周囲の幸せにつながることを実感するようになった)
その後、持ち前の好奇心を発揮して、インスタグラムやユーチューブなどを使ったお道の本の朗読のチャンネルや、オンライン「声でつながるおふでさき」、オンラインカフェ「KAMEKAYOBUCKS(カメカヨバックス)」などの取り組みを順次スタートさせていく(文末コラム参照)。
信仰の喜びから布教実動へ
オンライン読書会を始めて半年後、これまで苦手意識のあった路傍講演にチャレンジしたいと思い立つ。SNSで知り合った男性教友と共に、初めてJR品川駅前で路傍講演を行った。以後、同駅前で週1回にをいがけをすることも心定めした。
しかし、実際に街頭に立つと足が震え、通行人の視線が気になって目も開けられない。心が折れそうになったとき、たまたま通りかかった見ず知らずの教友が声をかけてくれた。
「私も天理教です」「勇気をもらえました」
その言葉を胸に、時には一人で、時にはSNSで知り合った教友と一緒に、布教実動に励んでいる。
にをいがけもおたすけもひのきしんも読書会も、どれも相手に求められているわけではない。自己満足。つい「こうするべき」と思いがちなので、常に自分に確かめる。「心からやりたい」と思っている? それをせずにはいられない。心のほとばしりがある? 心が喜ぶ方へ行く。
Twitterより(エネルギッシュで前向きな人柄と純粋さは、周囲の人をおのずと巻き込んでいく)
◇
kamekayoさんは、SNSを通じての教友との出会いを振り返り、こう語る。
「『仕合わせ』とは、人との巡り合いのことだと、辞書にあった。以前、『しやハせをよきよふにとてじうぶんに みについてくるこれをたのしめ』(おふでさき二号42)の幸せとは、“仕合わせ”のことではないかと聞いたことがある。SNS上での教友との巡り合いこそ、神様がおっしゃる“仕合わせ”と実感している。これから、どんな仕合わせが待っているのかと想像するだけでワクワクする」
思い通りになってくることがしあわせではない。どんなことも心通り。神様が良きようにしてくださる。思い通りの人生だったら、つまらない人生だったかも。なんでこうなるんだろう? なんでしてくれないんだろう? そういうことがたくさんあったけど、だから今こんなにもしあわせ。
Twitterより(「天理教を信仰していてよかった」と、今つくづく実感しているkamekayoさん。明日もネットとリアルの両方の世界で、教えを求め伝える)
文=木村一正、写真・動画=中野理弘
kamekayoさんが教友と共に布教実動に取り組む様子などを、URLから見ることができます。
コラム
SNS上でのさまざまな取り組み
※インスタグラムやズーム、ユーチューブなどで時間や曜日を決めて①~⑤の取り組みを行う。その頻度は週5、6回にも及ぶ。
①オンライン読書会(ズーム)
→原典や道友社の刊行物を中心に、参加者による本の輪読、意見交換を通じて教理理解を深める。
②「kamekayo お道の本の朗読」(インスタグラム・ ユーチューブ )
→『稿本天理教教祖伝』や道友社の刊行物(『おふでさき通訳』など)をkamekayoさんが朗読する。
③声でつながるおふでさき(ズーム)
→教祖の温もりにふれるひと時を過ごすことを目的に、参加者による「おふでさき」の輪読、意見交換などを行う。
④昼休みに声でつながるオンラインカフェ「KAMEKAYOBUCKS」(カメバ)(ズーム)
→勤める会社の昼休みを利用して、ズーム上に教友が集合。信仰談議に花を咲かせる。
⑤声でつながるオンライン〝カメバ〟女性版(ズーム)
→女性限定のカメバ。女性ならではの悩みを気軽に相談できる機会を設けている。
kamekayoさん
Twitter
https://twitter.com/joyouslife0801k
Instagram
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