いま、おたすけのあり方を考える – ひのきしんスクールシンポジウム
ひのきしんスクール(村田幸喜運営委員長)は9月25日、シンポジウム「今、改めて“おたすけ”を考える――コロナの時代を思案し、動き出す」をオンラインで開催、249人が受講した。
冒頭、あいさつに立った村田委員長は、現代社会における複雑化した悩みに寄り添い、おたすけに掛かるには、具体的な知識や技術を身につけることが非常に重要と指摘。そのうえで、親神様・教祖のご守護やお働きを受けて、病む人が救済されていくとして、「たすかりの根本をしっかりと胸に治めて、ひのきしんの態度を意識しておたすけに臨んでいくことが何より大切」と語った。
この後、コロナ禍のさなか、にをいがけに励む教友や、医療や社会福祉などの現場で身上・事情のおたすけに当たる教友ら6人の紹介ビデオが上映された。
こども食堂を通じて
続くパネルディスカッションでは、永尾教昭(65歳・天理大学学長)、福本大介(38歳・兵南分教会長)、浅野治香(27歳・攝歩分教会ようぼく)の3氏が登壇。まず福本氏が、コロナ下で取り組んできた「こども食堂」の活動内容を発表した。
福本氏は、以前から教会を会場に「へいなんこども食堂」を定期的に開いてきたが、新型コロナウイルスが社会全体に蔓延し始めた昨年6月からは、手作り弁当の配布に切り替えている。現在、約200食の手作り弁当を近隣家庭へ配っているという。
福本氏は「コロナ禍によって両親の収入が激減し、子供に満足な食事を与えられなくなった家庭は少なくない。また、感染者や濃厚接触者となって社会から隔離され、孤立に苦しむ大勢の方々と出会ってきた」として、こども食堂の運営を通じて難渋を抱える人々に寄り添う中で、常に相手の心のたすかりを願うようになったと語った。
これに対し、永尾氏から「神様の話を伝える方法」について問われると、「まずは悩む人の胸の内を親身に聞いたうえで、それぞれのタイミングに応じて、教会へ導いている」と答えた。
ねりあいの場を提供
一方、浅野氏は今年7月まで三重教区女子青年委員長を務めた経験をもとに、自身が取り組んできた活動について語った。
浅野氏は、コロナ下で思うように女子青年の活動ができないなか、SNSやインターネットを活用してねりあいの場を持った事例を紹介。「若い女性に、お道を好きになってもらいたい」との思いで、SNSを通じて同世代の参加者を募ったこと、そして、日常生活にまつわる身近なテーマをもとに、オンライン上で信仰についてねり合ったことが参加者の反響を呼び、徐々に規模が大きくなっていったという。
女子青年委員長の役を終えた浅野氏は現在、女子青年層に限らず、誰でも参加できるようなオンラインイベントを企画していると述べた。
シンポジウムの最後に、永尾氏は、密接、唱和、長距離移動など、教内の行事や取り組みが従来通り進められない現状を踏まえ、「親神様は、人間に難儀させよう、不自由させようとなさっているわけではない。渦中ではなかなか気づけないが、その親心が分かるときが必ず来る。いまは、孤立に苦しんでいた人へのオンラインを通じたおたすけなど、これまで取り組めなかったことに取り組む旬なのではないか」と語った。
下記のURLから、「ひのきしんスクールシンポジウム」の動画を視聴できます。
https://fukyo.tenrikyo.or.jp/top/?page_id=20360