誤りなく教えを伝える信仰者に ‐ 記者がゆく Vol.5 音訳ひのきしん者養成講習会
親里で開催される研修会や講習会を記者が実地に体験し、感じたことを交えながら報告するシリーズ企画「記者がゆく」。第5回は、9月19日にオンラインで実施された「音訳ひのきしん者養成講習会」を、入社2年目の記者が体験受講した。
布教部社会福祉課が主催する同講習会は、『天理時報』や『みちのとも』などのお道の刊行物を音声化する“音訳ひのきしん者”を養成するもの。
視覚から情報を得ることが困難な人のために、どのように文章が音訳されているのか。かねて関心はあったものの、自分自身の滑舌に自信がないことから、不安な気持ちで講習会当日を迎えた。
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開始時刻、オンライン上に受講者が続々と集まってくる。
記者が受講した「初級講座」では、2クラスに分かれて講習がスタート。最初に、受講者が音訳ひのきしんを始めようと思ったきっかけなどを順番に語った。
「おたすけの幅を広げたくて」「自分の徳分を生かせるのではないか」など、高い目的意識を持つ受講者たちの言葉一つひとつに感銘を受けた。
短い時間でも上達を実感
この後、音訳の基礎知識や心構えなどを学んだうえで、いよいよ実践へ。文章を読み上げる講習では、講師から発音や声の調子など細かなアドバイスを受けながら、文章を言い間違えないように慎重に読み進めていく。
その中で、言葉の基盤となる母音や、鼻に音を抜くように発音する鼻濁音など、意識しなければならないことが数多くあり、誤りなく文意が伝わるように話すことの難しさを実感した。
また、他言語を勉強しているように感じ、中国語を専攻し、悪戦苦闘した大学時代の記憶が蘇った。
普段使わない筋肉を使った後のように、講習会終盤には口の周りが痛くなった。しかし、滑舌に自信がなかった記者でも、少しは上達したことを実感できた。画面越しの受講者の表情も、どこか明るく見えた。
今回の講習会を通じて、「自らの徳分を生かして人の役に立ちたい」と願う方々と共に学んだことで、何より、ようぼくとしての心の置きどころを学べたように思う。まずは自分自身の徳分を見つけ、将来は、お道の教えを誤りなく伝えられるような信仰者を目指したい。
文=杉田祥太郎
下記から、「音訳ひのきしん者養成講習会」の様子が視聴できます。