ドラフト1位で日本ハムへ – 天理高校硬式野球部 達 孝太投手
天理高校硬式野球部の達孝太投手(3年)は、10月11日に行われた「プロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)」で、北海道日本ハムファイターズから1位指名を受けた。天理高の現役選手が1位指名されたのは、3年前の太田椋選手(オリックス・バファローズ所属)以来3人目。
達投手は身長193センチ、88キロの右投げ右打ち。長身から投げ下ろす角度と球威のある直球、そしてスライダーやフォークなど切れのある変化球を武器とする。少年野球が盛んな大阪・堺市出身。小学4年生のとき、軟式野球を始め、中学では硬式野球のクラブチーム「泉州阪堺ボーイズ」でプレーした。
天理高では1年生の夏からベンチ入り。公式戦初先発となった同年秋の近畿大会決勝で、強豪・大阪桐蔭高校を相手に八回途中まで4失点に抑え、勝利投手となった。
2年生の秋からはエースとしてマウンドに立つ。3年時の春、「選抜高校野球大会」に出場すると、1回戦では宮崎商業高校を相手に1失点完投。続く高崎健康福祉大学高崎高校との2回戦では2安打完封。仙台育英高校との準々決勝でも八回3失点と好投を見せ、チームの24年ぶりベスト4入りに貢献した。
“大エース”への成長に期待
11日のドラフト会議では、日本ハムから単独1位指名を受けた。
直後の記者会見で、達投手は「1位指名だとは思っていなかったので、びっくりしている。まずは両親にありがとうと伝えたい」と驚いた様子で話した。
続いて、理想とする選手を聞かれると、アメリカ・メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス所属)ら3投手を挙げ、「3人を足して3で割ったような投手を目指す」と自身の目標について具体的に答えた。
また、かねて夢だと公言してきた、将来の“メジャー挑戦”について聞かれると、「まずは日本のプロ野球で、誰もが納得するような結果を残すことだけを考える」ときっぱり。
さらに、“天理野球”のファンに向けては「自分がここまで成長できたのも、やっぱり天理という環境があったからであり、自分一人の力ではない。ここまで応援してくださって、ありがとうございました」と語った。
最後に達投手は「1年目は、プロの環境に慣れるのが目標。できることを一つひとつやっていって、スケールが大きくて、長くプロで活躍できる投手になりたい」と抱負を述べた。
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達投手を指名した、日本ハムの栗山英樹監督は「真っすぐでしっかり押しきれて、スケールとしても、もちろん日本のエースでもあるし、世界で勝負できるくらいの成長の幅がすごく大きく見えていた。5年後、10年後に、どんなピッチャーになるのか本当に楽しみで、駆け上がる姿を見てみたい。世界中の人が彼の投球を見に来るような“大エース”をつくりたい」と期待をかけている。
下記から、ドラフト当日に行われた達投手の記者会見の様子が見られます。