竜巻の被害現場へ出動 4次にわたり復旧支援 – 災救隊静岡教区隊
2025・10/8号を見る
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既報の通り、災害救援ひのきしん隊(=災救隊、冨松基成本部長)静岡教区隊(小塚嗣夫隊長)は、9月11日から国内最大級の竜巻が観測された静岡県牧之原市へ出動。突風により倒壊した農家のビニールハウスのビニール剥がしなどの復旧支援に従事した。
9月初旬に日本列島に上陸した台風15号の影響により、静岡県内で竜巻や突風が発生。なかでも、牧之原市や吉田町で国内最大級の竜巻が観測され、両市町は甚大な被害に見舞われた。
このたびの台風15号の影響で発生した竜巻などによる県内の10月1日現在の被害状況は、人的被害が死者1人、重・軽傷83人、住宅被害が全壊52棟、半壊196棟、一部破損1390棟、床上浸水22棟、床下浸水189棟となっている。
竜巻被害の発生後、小塚隊長(50歳・此岡分教会長)が被災地を視察し、被災状況の把握に努めたのち、牧之原市災害ボランティアセンターからの要請を受け、9月11日から21日にかけて全4次にわたる出動を決定。一般ボランティアでは対応が困難と判断された現場での作業を任されることになった。
第1次隊は11日から、第2次隊は14日から、それぞれ3日間出動し、農家の倒壊したビニールハウスのビニール剥がしやパイプ切断の作業に力を尽くした。
このほか、竜巻により吹き飛んだ教会建物・教職舎の屋根瓦の運搬をはじめ、ブルーシート張りや倒壊した倉庫の撤去作業に従事。また、倉庫の整理や天井補修などにも取り組んだ。
11日間で延べ258人が救援活動に力尽くし
第3次隊は、17日から19日にかけて出動。同ボランティアセンターから要請を受け、農家の倒壊したビニールハウスのビニール剥がしやパイプ切断の作業を継続した。
また、新たに吉田町の被災民家にも出動。これは、同町で民生委員を務める大石道忠・吉田分教会長が同町災害ボランティアセンターと折衝したことによるもの。隊員たちは、被災民家で敷地内の倒木や瓦礫の撤去、倒壊した小屋の荷物運搬、ブルーシート張りなどに尽力。第3次隊期間中、延べ86人の隊員が出動し、2トントラック7台分の瓦礫やビニールなどの“災害ごみ”を運搬した。
最終の第4次隊も20、21の両日、両市町内の各所へ。吉田町では、特別養護老人ホーム「杉の子園」と東名高速道路高架上の側溝のごみ撤去などに取り組んだ。また、両市町の被災民家で瓦礫や倒木の撤去作業などに当たったほか、牧之原市細江地区の山林で竜巻によって飛散した瓦礫などの撤去・運搬作業に従事した。第4次隊期間中、延べ23人の隊員が出動し、2トントラック4台分の“災害ごみ”を運搬した。
なお、全4次にわたる出動では、11日間で延べ258人の隊員が救援活動に尽力。2トントラック30台分の瓦礫やビニールなどの“災害ごみ”を運搬した。また期間中、被災教会を拠点に、静岡教区西駿支部婦人会の会員が連日、隊員の昼食づくりのひのきしんに当たった。
小塚隊長は「3年前の台風15号による水害での出動の経験を生かし、行政とスムーズに連携を図ることができた。また、被災地復旧の力になろうと、連日多くの隊員が集まってくれたことが有り難かった。出動はいったん区切りとなるが、今後も行政と連携し、要請があれば応えていく」と話した。