天理時報2022年7月27日号3面
【鹿児島が新たな教区会場に – 天理教基礎講座】鹿児島教区(塚田光範教区長)は7月17日、「天理教基礎講座」を鹿児島市の教務支庁で開催した。和やかな雰囲気のなか、受講者たちは講師の話に耳を傾けた(7月17日、鹿児島教務支庁で)“天理教紹介コース”として、お道の教えを知らない人や入信して間もない人向けに活用されている基礎講座。平成15年に初めて親里で開講した後、北海道を皮切りに、東京、福岡、新潟、福島、長崎の各教区でも、それぞれ開かれるようになった。鹿児島教区は、これまでに計4回、本部から講師を招いて同講座を実施。3年前の初開催に向けては、九州で初めて同講座を開いた福岡教区のサポートのもと、事前に外部講師によるマナー講習が行われ、あいさつの仕方や接客の心得を学ぶなどして研鑽を図った。おぢばをより身近に同教区会場は、今年4月1日付で正式な教区会場として認定された。今回は、先ごろ本部講師に任ぜられた同教区の柳良一さん(51歳・南鎮分教会長)が講座を担当。「親里での研修を通して試行錯誤を重ねるなか、未信仰の人にも分かりやすい言葉づかいや話し方を学んできた。参加してくださった方に、少しでもお道の教えの素晴らしさを伝えられれば」と抱負を語る。当日は、新型コロナウイルス感染拡大防止のうえから、人数制限を実施。事前予約した10人が来場した。午後1時30分、講座がスタート。教えの概要などをまとめたビデオを上映した後、柳講師が自らの体験を通して実感した信仰の喜びを語った。受講者の一人、久保佳祐さん(37歳・日置市)は今回、知人に誘われて会場へ。「講師の説明が分かりやすく、天理教は考え方ひとつで前向きになれる教えだと感じた」と感想を述べた。塚田教区長(63歳・伊集院分教会長)は「遠方の地域にとって基礎講座は、おぢばをより身近に感じることができる絶好の機会だと思う。これからは若人の集いなどの行事の一環としても、積極的に活用していきたい」と今後の展望を語った。◇なお、鹿児島教区会場は11月20日にも開催予定。鹿児島教区会場の基礎講座の様子を視聴できるhttps://youtu.be/3eZrO2oKO6k, 【息子との関係を修復したい – 人生相談】Q. 息子に対して幼少から厳しく接してきたせいか、大人になった今も避けられています。妻によると、息子は私に苦手意識があるようです。関係を修復したいのですが、きっかけがつかめません。(60代男性)A. 父親として厳しくしてきた背景には、あなたなりの考えがあったのでしょう。しかし、その真意が息子さんに届いていなかったために、ずっと避けられてきたようです。人の心は言葉で説明しないと伝わりません。「親子だから、家族だから分かるはず」というのは間違いで、子供にも分かる言葉で説明することは子育てに不可欠です。心と心をつなぐ「橋」は両サイドから架けねばなりません。それゆえ息子さんの心が、あなたに向かって動く方法を考えましょう。修復のきっかけは素直な謝罪です。謝罪のポイントは①自分に非があったと詫びる ②自分に責任があることを認める ③相手の感情を思いやる ④今後に望む具体的な関係をいくつか提案する――などです。①②は、あなたは認めにくいかもしれませんが、いままで子供に分かる説明や父子関係の溝を埋める努力をしてこなかったことは反省できるでしょう。③は「妻によると……」という言い方では、まだあなたは息子さんの心を本当に理解していない気がしますので、奥さんとよく話し合ってください。④は焦らず、小さな変化から目指してください。息子さんに「父親は何か変わったなあ」と感じ取ってもらうことから始めましょう。回答者:古市俊郎 (福之泉分教会長・公認心理師), 【無自覚な「うそ」のこわさ – 視点】パンデミック、大国の軍事侵攻、そして要人への凶行。世界を揺るがす事象・事件が起こるたびにフェイク(偽)ニュースがインターネット上にあふれる。その拡散を防ぐNPO法人ファクトチェック・イニシアティブは、安倍晋三元首相が銃撃された7月8日、ツイッターで注意喚起を促した。「家族や友人から回ってきた情報、インフルエンサーが拡散している情報などでも、それを再拡散する前に、正しい情報か立ち止まって確認するように」フェイクニュースは、他愛もない噂話から社会不安を煽るデマまで幅広い。特に後者のようなSNS発信に、軽率に「いいね」をしたり、リツイートしたりすれば、悪意の拡散や被害の拡大に手を貸すことにもなりかねない。ネット社会の落とし穴である。ネットメディアの偽・誤情報を見抜くのは容易ではない。その適正な向き合い方を「メディアリテラシー」というが、情報の吟味には豊富な知識や専門的技術が必要で、たやすく身に付かない。その背景には脳の特性もあるという。脳科学者の中野信子氏は、「私たちは意外なほどウソに弱くできている」と指摘する。すなわち、人間の脳には、論理的に正しいものより、認知的に脳への負荷が小さいものを好む性質がある。思考のプロセスにおいて、脳の消費エネルギーを節約し効率化するために、分かりやすく整理された情報、つまり考えなくても済むものには“好感”が生じる。つまり「脳は騙されたがっている」というのだ。一方、インターネットにはウソやデマの温存につながる推奨システムが備わっている。利用者の検索・閲覧履歴などを集積・分析し、個人の好みに合わせて「おすすめ」を提案してくるので、利用者の考えに似た意見や“好感”の持てる情報が集まってくる。それが悪意に満ちたものや陰謀論ならば、人や社会に害を及ぼしかねず、賛意を示すだけで訴訟に発展することもある。お道では、八つのほこりのほかに、「うそ」と「ついしょう」を慎むよう教えられる。「おさしづ」には「神は嘘と追従これ嫌い」(明治22年3月10日)とある。「うそ」とは本来、意図的なものだが、情報社会では無自覚に「うそ」を広げているおそれがあることを自覚したい。そして、日ごろのメディア行動が教えに沿ったものであるか、自らに問うことにも心したい。(松本)