天理時報2022年7月6日号4面
【立教185年学生生徒修養会高校の部(8/8~8/12) – 受講者募集】【受講対象】高等学校に在学し、全期間受講できる者(親里管内については天理高校第1部の自宅通学生に限り、受講可能)【募集人員】700人(男女とも350人)【受講御供】10000円※各詰所(直属学生担当委員会)に納めてください【受付期間】7月25日(月)まで(郵送の場合も7月25日必着)※事務処理の関係上、願書はなるべく7月18日までに提出してください【申込方法】書類を調え、直属教会長を経て、学生担当委員会事務局へ申し込んでください。下記URLから願書のダウンロード、必要事項の確認ができます。https://happist.net/event/koukou主催=教会本部、事務局=学生担当委員会【申し込み・問い合わせ】学生担当委員会事務局天理市守目堂町213‐4 おやさとやかた真南棟3階〒632‐8790 天理郵便局私書箱1号TEL:0743‐63‐2489(直通)FAX:0743‐62‐5780, 【交通事故で出直した娘と共に「みんなの笑顔」が輝く未来へ – ヒューマンスペシャル】福岡県内の中学校で行われた「命の大切さを学ぶ教室」で講演する池田さん「命の大切さを学ぶ教室」講演講師池田かおりさん生かされているありがたさを、一人でも多くの中高生に伝えたい――。5人きょうだいの四女・陽菜さん(当時6歳)を交通事故で亡くした池田かおりさん(48歳・山手分教会長夫人・福岡県北九州市)は、今年4月から「命の大切さを学ぶ教室」(コラム1参照)の講演講師を務めている。6年前、普段と変わらない様子で友達と遊びに出かけた陽菜さんが、ワゴン車にはねられて出直すという大節を見せられた母親。遺された家族が悲しみに暮れるなか、希望を見いだすきっかけになったのは、小学1年生の陽菜さんが書き遺した、わずか34文字のひらがなの文章だった――。愛娘を亡くしたつらい経験を胸に、県内の中高生に命の大切さを伝えている池田さんの思いに迫った。「当たり前の日々は奇跡の連続だったと、陽菜を失って初めて気づいた――」福岡県内の中学校で演台に立つ池田さんは、陽菜さんが生きていれば同世代に当たる約230人の生徒を前に、落ち着いた口調で語りかけた。すべては親神様のご守護のおかげ平成28年12月、小学校に入学して9カた月経ち、たくさんの友達と学校生活を送っていた陽菜さん。”その日”も学校から帰宅すると、友達と遊びに出かけた。数分後、池田さんのもとに小学校の先生から「陽菜ちゃんが交通事故に……」と電話がかかってきた。すぐに現場へ向かうと、すでに陽菜さんは救急車で病院へ搬送されていた。事故処理に当たる警察官から「女の子がワゴン車にはねられた」と状況説明を受け、容体については「心肺停止」と知らされた。池田さんは、夫・信人さん(48歳・山手分教会長)に電話で状況を伝えると、「早く病院へ」と気がはやった。しかし、「まずは親神様・教祖に娘のたすかりをお願いしよう」と思い直し、教会に一旦戻って、真剣にお願いづとめを勤めた。上の娘3人を連れて駆けつけた病院では、救急処置を受ける陽菜さんの姿が。先に到着していた信人さんがおさづけを取り次ぎ、娘たちと一緒に「陽菜、起きて」と必死に呼びかけた。しかし、陽菜さんが再び目を開くことはなかった。娘たちは妹の突然の出直しを受けとめられず、「陽菜は、まだ生きている!」と言って泣き崩れた。池田さん自身も立っていられないような感覚になったが、同時に「妙に冷静な自分がいた」。「陽菜、みんな待っているからね。お父さん、お母さんのところに帰ってきてね」。娘たちとともに自身にも言い聞かせるようにして、陽菜さんに最期の言葉をかけた。弟・信一郎くん(当時生後6カ月)を笑顔で世話する陽菜さん「それまでは、家族そろっての幸せな日々を”いつもの日常”くらいにしか思っていなかった。それどころか、ささいなことに不足していたこともたくさんあった」と振り返る。「陽菜の突然の出直しという大節を通じて、当たり前だと思っていた日々は、すべて親神様のご守護のおかげであり、それがどれだけありがたいことなのか、あらためて気づくことができた。以来、日常のちょっとした出来事に、生かされているありがたさを実感し、少しずつ感謝の心を持てるようになったと思う」「みんなのえがおがみれるから」陽菜さんの葬儀を終えた3カ月後、小学校の先生から遺品を受け取った。その中に、国語の授業でひらがなの練習をした際に書いた文章があった。陽菜さんが国語の授業で書いた文章。「みんなの笑顔が見たい」という陽菜さんの思いが、池田さん家族の心の指針になっている「わたしは、ゆうえんちにいくことがすきです。みんなのえがおがみれるからです」池田さんは、亡き娘の文字を見たとき「いつの間にか自分のことよりも、周りの人のことを考えられるようになっていたのかなと感じて、うれしかった」。その文章を見ながら、信人さんや娘たちと生前の思い出を語り合う中で、「みんなの笑顔が見たい」という陽菜さんの願いを家族の心の指針にしていこうと決めた。以後、池田さん家族は、普段から「おはよう」や「ありがとう」などの優しい言葉を使うこと、困っている人がいたら声をかけることなどを実践。娘たちは、学校の授業でのグループ作りの際に、うまく仲間の輪に入れない子がいたら積極的に声をかけることを心がけてきた。「以前は、なかなか”おたすけの一歩”を踏み出せなかった。でも、いまは誰かの笑顔につながることは即実行しようと強く思うようになった」◇平成30年、池田さんが書いた絵本(コラム2参照)が地元紙で取り上げられたことなどをきっかけに、警察主催の「交通安全フェス」での講演を依頼された。「陽菜が望んでいた『みんなの笑顔』を見ることにつながるかもしれない」と思った池田さんは、300人の聴衆を前に「当たり前の日々は、奇跡の連続」のタイトルで講演。多くの反響が寄せられ、複数のメディアが取り上げた。やがて、池田さんのもとに講演依頼が届くようになる。「自分の力だけでは、笑顔が見られる人の数には限りがあると思う。講演という機会を頂いたことに、親神様の不思議なお導きを感じた」「当たり前の日々は奇跡の連続」と伝え今年4月からは「命の大切さを学ぶ教室」の講演講師を務めることになった。講演では、絵本をスクリーンに映し出して朗読。陽菜さんを突如失った経験から得た、さまざまな気づきを伝えている。「運転者や歩行者一人ひとりが優しい心を持てば、交通事故や犯罪は減っていくと思う。『当たり前の日々は、奇跡の連続』だからこそ、その素晴らしい毎日を大切に、周りの人と共に笑顔になれるよう過ごしてもらえればうれしい」講演を聞いた女子生徒(14歳)は「普段何げなく送っていた生活が、当たり前ではないと分かった。最近、両親に感謝の気持ちを伝えられていなかった。今日、家に帰ったら『いつもありがとう』と声をかけようと思う」と感想を述べた。◇池田さんは「親神様は、この世の中が陽気ぐらしに一歩でも近づけるようにと、私たち家族に節を見せてくださったのだと思う。これからも私たち家族の経験を伝えることで、亡き娘と共に、みんなの笑顔が輝く未来を目指していきたい」と話している。文=久保加津真写真=根津朝也コラム1「命の大切さを学ぶ教室」事件や事故の被害に遭った人やその家族、遺族が中高生に向けて実施する「命」をテーマにした警察庁主催の講演活動。被害者の思いを知り、被害者も加害者も出さない社会を目指す。福岡県内の講演講師は池田さんを含めて二人。コラム2 絵本『そらがわらったよ』出版出直した陽菜さんへの”プレゼント”として、また生前の7年間の思い出を忘れないために、事故から数日後に作成した絵本。陽菜さんが生まれてから交通事故に遭うまでの人生と、その節の中で気づいたことを描いている。陽菜さんの1年祭の際にお供えし、知人らに配ったところ、口コミで反響が広がり、2カ月後に出版社から打診を受けて一般向けに出版された。