天理時報2022年6月1日号8面
【全勝で31年ぶり関西リーグV – 天理大学バレーボール部男子】リーグ戦全勝で、31年ぶりに関西を制す――。天理大学バレーボール部男子は5月15日、関西大学春季リーグの優勝を懸けて近畿大学と対戦し、3‐2で勝利。31年ぶりの優勝を決めると、22日の最終戦も勝ちを収め、全勝優勝を果たした。スピード重視のコンビネーションプレーで戦う”全員バレー”を武器に、「関西リーグ優勝」を目指してきた同部。昨年の秋季リーグ戦は、主力選手のけがの影響もあり、8勝3敗で3位に終わった。今年4月、高校バレーボール界の強豪・東山高校(京都)でキャプテンを務め、堅実なサーブレシーブが持ち味の辻本怜要選手(1年)らが”即戦力”として加入。春季リーグに向け、コンビネーションに磨きをかけてきた。迎えた春季リーグ戦。セッターの中島健斗キャプテン(3年)が正確なトスさばきで攻撃を組み立てると、昨年の秋季リーグで新人賞を獲得したエースアタッカー・酒井秀輔選手(2年)が得点を量産。次々と勝ち星を重ねていく。5月15日、ここまで全勝の天理大は、昨秋のリーグ戦で全勝優勝したライバル・近畿大との一戦に臨んだ。互いにセットを取り合って迎えた第4セット。拮抗した試合展開が続くなか、酒井選手の強力なサーブが決まり、試合の流れを変える。勢いに乗った天理大は、フルセットにもつれ込む接戦を制し、3‐2で勝利。31年ぶりの関西リーグ優勝を決めた。最終戦も勝利して全勝優勝を果たした天理大から、中島選手が最優秀選手賞とセッター賞、辻本選手がベストリベロ賞に選ばれた。この結果を受け、6月の「西日本バレーボール大学男子選手権大会」のシード権を獲得した。浅川敏監督(45歳)は「近畿大学との試合では『絶対に負けたくない』という選手たちの思いが一つになって”全員バレー”を体現できたと思う」と語った。中島キャプテンは「結果に満足せず、西日本インカレ優勝、リーグ戦連覇を目指したい」と話した。, 【激変するニッポンの安保環境 – 手嶋龍一のグローバルアイ13】沖縄の施政権が日本に返還されて半世紀が経った。アジア・太平洋戦争に敗れながら、交渉によって沖縄を取り戻す――戦後の日本外交は、前例のない大仕事を成し遂げた。だが、その沖縄はいまも在日米軍基地の大半を引き受け、基地周辺の人々は軍用機の轟音に脅かされている。祖国への復帰にまつわる光と影、その暗部の最たるものは”沖縄の核”だった。当時の佐藤栄作内閣は、返還交渉にあたって「有事の核持ち込み」を認める密約をニクソン政権と交わしていた。”核抜き返還”こそ佐藤総理にとって最大の外交成果であり、のちに「持たず、作らず、持ち込ませず」に結実した非核三原則の功績でノーベル平和賞を受賞している。それゆえ”核の密約”を墓場まで携えていったのである。戦後の日本はどれほど恵まれた平和な環境のもとで経済的な繁栄を謳歌してきたことか。プーチンの侵攻によるウクライナの惨状を目の当たりにし、誰しもそう思うだろう。米ソの冷戦のさなか、当時の日本は米国の核の傘のもとにひっそりと身を寄せながら、一方で核の影が列島に直接及ぶことを忌避してきた。同じ敗戦国でありながら当時の西ドイツが、東側陣営の圧倒的な地上兵力を前に米国の核の威力に頼ったのと好対照だった。ウクライナもいま”プーチンの核”の脅しに晒されている。フィンランドとスウェーデンがNATO(北大西洋条約機構)への加盟申請を決断したのも頷けよう。東アジアに眼を転じれば、中ロ両国は連携を強め、共同艦隊が津軽海峡を抜け日本海で演習を繰り広げている。日・米・豪・印の海洋大国は、先に東京でQUAD(日米豪印戦略対話)会合を開き、海洋・宇宙強国を目指して攻勢を強める中国に対抗する方策を話し合った。ウクライナの戦いに足を取られて、米国の抑止力に陰りが見えていると危機感を募らせているからだろう。日本列島を取り巻く安全保障の環境は、核密約当時とは激変している。そんな冷厳な現実を、どこまで直視しているのだろうか。平和の国ニッポンの行く末が気がかりでならない。