天理時報2022年3月23日号6面
トーク・サンコーカン「民族スポーツ」と国際理解を語る天理参考館(春野享館長)は先ごろ、公開講演会「トーク・サンコーカン」を同館2階ホールで開催。今回は「世界の民族スポーツ」をテーマに、講師の早坂文吉・学芸員が登壇し、各地のスポーツの儀礼的な特色について、具体例を挙げながら詳しく解説した。早坂学芸員はまず、スポーツは、民族の歴史や文化と密接に関わる「民族スポーツ」と、文化を超えて広く世界で親しまれている「国際スポーツ(近代スポーツ)」の二つに分類できると指摘。「民族スポーツ」には、地域の文化が色濃く刻まれ、使用する道具にもそれぞれの社会や生活が反映されていると話した。続いて、儀礼的な「民族スポーツ」について、参考館に常設で展示している実物の道具などを用いて詳しく紹介。その一例として、ラクロスに言及した。ラクロスは元々、北米先住民族の儀礼の一環として始まった「民族スポーツ」だったが、時代を経て宗教的な部分がそぎ落とされ、現在では、各地で広く親しまれる「国際スポーツ」へ発展した、と説明した。一方で、近年では自分たちのエスニシティー(民族性)を守るために、民族スポーツの大会を盛んに行っている地域、グループがあることについてもふれた。最後に早坂学芸員は「自文化の伝統を守り発信する民族スポ・ツと、異文化の人々の交流である国際スポーツの両面を知ることは、国際理解を深めるうえで大変重要」と語った。早坂学芸員は、スライドなどを用いて「民族スポーツ」と国際理解について語った(2月24日、天理参考館2階ホールで)読者のひろば100通超える激励のはがき富田直子(69歳・水戸市)1年前の“あの日〟、東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故は、私たち家族の日常を一変させました。発電所から半径20㌔圏内が「警戒区域」に指定されたことから、私たち家族5人は、福島県南相馬市から茨城県へ避難することになりました。当初は、新しい土地での生活に慣れるのに精いっぱいでしたが、しばらくして、離れ離れになった故郷の人たちのことが気にかかり、寂しさを募らせる日々を送るようになりました。そんなとき、友人Aさんの居場所が分かり、はがきを送ったところ、早速Aさんから返事が届きました。そこには、近況報告とともに「つらいけれど一緒に頑張ろう」などと励ましの言葉が添えられていて、「自分は一人じゃない」と実感しました。以来、Aさんとはがきのやりとりを続け、昨年100通を超えました。思えば、Aさんのはがきから勇気とエネルギーをもらったおかげで、落ち込んでいた気持ちをなんとか前に進めて、今日まで歩むことができたと思います。積み重なったこのはがきの束は、つらいときこそ互いにたすけ合うことが大切だと教えてくれた、私の宝物です。いま、感謝の思いも新たに、どんなときも心をつないでくれたAさんと、末永くはがきのやりとりを続けていきたいと思います。よろずの美の葉嬉しいようなつらいような作家澤田瞳子SawadaToko今年の春は、驚くべき速さで到来した。おかげで30年来の花粉症患者である私は何も準備できぬまま花粉の来襲に立ち向かう羽目となり、今この原稿を書いている最中もティッシュペーパーが手元から放せない。窓の外を見れば、空はぼんやりかすとした薄曇り。花粉症のせいで霞がかった頭に加え、穏やかな日差とどこに太陽があるのか分からぬ曇天が眠気を誘う。春霞とは春の季語の一つで、景色が淡く霞んだ状態を指す。植物の成長が活発な春は空気中の水蒸気が増えやすい上、中国大陸からは黄砂もやってくる。これらが風羽衣の舞台は、静岡県静岡市・三保の松原。ある漁師が松にかかっていた衣を見つけて持ち帰ろうとすると、一人の天女が現れて、それは自分の品だと言う。羽衣がないと天に帰れないと嘆く天女に、漁師は舞を見せてくれれば衣を返そうと告げ、喜んだ天女は羽衣をまとって舞いながら天に戻っていというあらすじである。この「羽衣」と似た説話は日本国内はおろか全世界に見られ、たとえば4世紀に記された中国の説話集『捜神記』には、ある男が毛の衣を着た不思議な娘から衣を奪って妻とし、子を産ませる物語が収録されている。男がうっかり我景を霞ませ、いかにも春らしいうらかさを醸し出すわけだ。ちなみに能楽好きの私としては、「春霞」との語を聞くと、必ず思い出す和歌がある。-春霞たなびきにけり月の桂の花や咲らむ春霞がたなびく季節、月に生えていると聞く桂の木にも、きっと花が咲いているに違いないというこの歌は、平安時代の歌人・紀貫之の作。「春霞」は秋田県の地酒の名、「月の桂」は京都の地酒の名と、一首の中に二つの酒の名前が含まれている一方、謡曲の中でも屈指の知名度を誇る「羽衣」に引用されている歌でもある。が子に毛衣の在り処を告げると、妻はそれを身に着け、子供たちともども飛び去ってしまう。沖縄では琉球王国の礎を築いた14世紀の王・察度王を、同様の経緯で生まれた天女の子とする伝承があるし、滋賀県余呉湖に残る伝説では、天女が残した子はのちに都に迎えられ、成長後は天神さまとして知られる学者貴族・菅原道真になったという。そう聞くと、眠気を誘う春霞ひとつにもロマンが感じられるが、だからといってうっかり窓を開けてしまうと、途端にくしゃみが込み上げてくる。嬉しいようなつらいような、実に複雑な季節である。お知らせ輸送部3月本部月次祭交通情報は天理教HPへ3月本部月次祭の交通規制、駐車場案内、臨時列車(近鉄・阪神、JR)等の最新の情報は、天理教ホームページ内の「交通情報」でご確認ください。https://www.tenrikyo.or.jp/yoboku/traffic_information/