天理時報2022年2月9日号8面
TenriSports[天理スポーツ]|3年連続センバツ決定出場校中最多26回目天理高野球部日本一を目指し、春の甲子園3月18日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される第94回「選抜高校野球大会」。その出場32校を決める選考委員会が1月28日、オンラインで行われ、天理高校野球部の出場が決定した。「繋」をスローガンに吉報が届いたのは午後3時31分。天理高会議室に報道陣が参集するなか、電話が鳴った。受話器を取った竹森博志校長は「推薦を頂きましたことに感謝を申し上げます。ありがたく、お受けいたします」と返答した。この瞬間、天理高野球部のセンバツ大会出場が決まった。天理高のセンバツ出場は3年連続26回目。今大会の出場校中、最多出場となる。昨年のセンバツでは、準々決勝で強豪・仙台育英高校(宮城)を破って、24年ぶりのベスト4入りを果たした。ところが、その後は「春季近畿地区高校野球大会」奈良県予選決勝で、智辯学園高校に1-3で敗れて準優勝。続く「全国高校野球選手権大会」奈良大会でも、準決勝で高田商業高校に6-7で惜敗し、夏の甲子園出場を逃した。3年生の引退後、「繋」をスローガンに掲げ、戸井零士キャプテン(2年)のもと新チームが始動。「秋季近畿地区高校野球大会」奈良県予選で3位となり、近畿大会へ進んだ。近畿大会では、滋賀学園高校との初戦を3-2市立和歌山高校との2回戦を5-1で勝ち上がる。準決勝で同大会を制した大阪桐蔭高校に1-9で敗れ、ベスト4となった。これ以後、同部の部員たちはウエートトレーニングで体づくりに励むとともに、基礎練習に注力してきた。これからセンバツに向けて徐々に練習強度を上げていく意向だ。センバツ大会出場決定の吉報を受け、中村良二監督(53歳)は「今年も出場させていただけることになり、大変ありがたい。今大会での天理高校野球部のプレーを通じて、多くの人に高校野球の素晴らしさをお伝えできるよう指導に努めたい」と話す。戸井キャプテンは「応援してくださる方々に喜んでいただけるよう、大会ではチーム一丸となって練習の成果を発揮し、昨年よりも上位を目指したい」と意気込む。なお、本大会の組み合わせ抽選会は3月4日に行われる。昨秋の近畿大会でベスト4入りを果たした天理高野球部。このたび、3年連続26回目のセンバツ大会出場が決まった。左はエース南澤佑音投手(2年)傷病者の容体回復に寄与町田消防署長から感謝状天理大ラグビー部OB小鍛治悠太選手松永拓朗選手天理大学ラグビー部OBで、ジャパンラグビー「リーグワン」の東芝ブレイブルーパス東京に所属するたく小ろう鍛治悠太選手(23歳)と松永拓朗選手(23歳)は先ごろ、東京都町田市内の温泉施設で心肺停止状態となっていた傷病者の容体回復に寄与したとして、町田消防署長から感謝状を贈られた。文芸連載小說ふたり【第2部】波のきらめきに作/片山恭一画/リン前話のあらすじ省吾のもとで立派な大人に成長した保刈青年は、のぶ代という女性と結婚した。二人の間に生まれた新太は、カンに懐くようになっていた。第3話保苅青年とのぶ代さん最初はハハのパン屋を手伝いながら、客に簡単なサンドイッチやコーヒーを出していた。これが街を訪れるサーファーたちのあいだで評判になり、昼時には大勢の若者が店を訪れるようになった。店内のテーブルには数人しか坐れないので、多くはテイクアウトで買い求めていった。二人は相談して、パン屋の横に小さなレストランを作ることにした。昼はバゲットのサンドイッチのほかに、フランス風のオープンサンドや、パンの上にチーズをのせて焼いたイギリスの郷土料理などをメニューに加えた。夜は彼が外国を旅するあいだにおぼえた何種類かの料理をメインに、スープやサラダなどを出す。ビールやトトが好きだったワインも飲むことができる。店で使う食材の多くは省吾さんの農場で生産されたものである。豚は精肉のほかに、のぶ代さんくんせいが燻製にしたハムやソーセージ、ベーコンなどがいろんな用途に使われる。もちろん保苅青年が有機栽培で育てた野菜も欠かせない。卵はハハの知り合いの養鶏業者から仕入れている。店が休みの日に、カンは保苅青年とのぶ代さんを招待することがある。二人は新太を省吾さんに預けてやって来る。ハハも加わって四人の食事会になることが多い。わたしはツツの一家がやって来た夏の夜を思い出す。トトはワインを飲みながらフウちゃんといろんな話をしていた。ツツはいまごろどうしているだろう?のぶ代さんとハハは、わたしの名前の由来でもあるワインを飲んでいる。保苅青年とカンはお酒を飲まないのでコーヒーか紅茶だ。酔いがまわると、のぶ代さんはカンが外国を旅していたときの話を聞きたがった。しかしカンのほうは、多少の受け答えはするものの詳しいところは省略してしまう。そこでハハがカンから聞いた話を、のぶ代さんに話して聞かせることになる。東ヨーロッパを旅していたとき、中世の面影を残す古い街で彼は一人の老人と知り合った。外国を旅するあいだに、その国の言葉で挨拶くらいはできるようになっていた。ところが老人は口がきけなかった。かわりにとても上上手なパントマイムを披露した。カンは老人を一種の天才だと思った。地球上の誰とでもパントマイムで話すことができる。それは何百種類もの外国語を喋れるのと同じだ。目の見えない人、寝たきりの人…・・・・・みんな自分で発明した方法で生きている。小さな虫や草花と同じように。「たしかにね」。のぶ代さんは感心したようにうなずいた。カンはカップに残った紅茶に視線を落として、何かを思い出しているみたいだった。あの子もまた、ツツのことを考えていたのかもしれない。文芸小説「ふたり」のバックナンバーはこちらから