天理時報2021年12月15日号8面
TenriSports[天理スポーツ]関西リーグ3位大学選手権へ天理大ラグビー部天理大学ラグビー部は4日、「ムロオ関西大学ラグビーAリ-グ」の最終節で同志社大学と対戦。互いに一歩も譲らない試合展開となるなか、後半ロスタイムに天理大が逆転し、27-25で劇的勝利。リーグ3位で「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」出場を決めた。リーグ初戦の近畿大学戦を7-23で落とした天理大。ミスを減らすため、ゲーム中のコミュニケーションを積極的に取るなどして立て直しを図り、第2節の関西大学戦では終始相手を圧倒し、69-21で大勝した。続く第3節の摂南大学戦は40-0。第4節の立命館大学戦は42-14。第5節の関西学院大学戦は38-17で、それぞれ快勝した。第6節では、今季リーグ無敗の京都産業大学と対戦。前半、天理大は敵陣へ攻め込むものの、相手のディフェンスを崩しきれない。7-10で折り返した後半、天理大がペナルティーゴールを決めて同点に追いつく場面もあったが、自ら反則を重ねるなどして失点し、10-19で惜敗。今季二一つ目の黒星を喫した。リーグ4位で迎えた最終第7節の相手は、関西大学春季トーナメントの決勝で敗れた同志社大。前半4分に先制を許すも、23分、相手の反則で、天理大は敵陣13付近からのペナルティーキックを選択。今季初出場の福本優斗選手(2年)が慎重に決め、3-3の同点とする。さらに29分、敵陣ゴール前のラインアウトからモールで押し込んで追加点を挙げ、10-3と逆転に成功。しかし、その後はミスが続いて相手に2トライを奪われ、10-15で前半を折り返した。天理大のキックで始まった後半もシーソーゲームが続く。2分、敵陣ゴール前のラインアウトから佐藤康キャプテン(4年)がトライを決め、一時、再逆転したが、反則によるペナルティートライなどで17-25とさらにリードを広げられる。試合終了が近づく34分、マナセ・ハビリ選手(2年)が相手ディフェンスを振り切ってトライ。24-25と、天理大が1点差に迫る。後半ロスタイム4分、相手の反則で天理大にラストチャンスが訪れる。逆転が懸かる大事な局面で、敵陣22メライン付近から福本選手が落ち着いてペナルティーゴールを成功させ、27-25でノーサイド。激闘を制し、3位でリーグ戦を終えた。小松節夫監督(58歳)は「点差が離れた苦しい局面で我慢強く食らいつき、最後は福本が、ここぞという場面でしっかり活躍してくれた。全国に向けて、選手層をさらに厚くすることができたと思う」と話した。佐藤キャプテンは「挑戦者として同志社大学に臨み、春の雪辱を果たすことができた。今後もディフェンス面などの課題に取り組み、チャレンジャーの気持ちで全国の舞台に立ちたい」と意気込みを語った。第58回「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の天理大の初戦は12月18日、東大阪市の花園ラグビー場で関東の強豪・明治大学と対戦する。天理大は後半ロスタイムに逆転し、リーグ3位で大学選手権出場を決めた(4日、京都市のたけびしスタジアム京都で)文芸小説ふたり星の降る夜は作家片山恭一第1部を終えて(下)「ふたり」という原型人間の生の原型は「ふたり」ではないか。「ふたり」という原型を、一人ひとりの「自分」という仕様で生きている。そんな気がします。もとのかたちが「ふ「たり」だから、ぼくたちは動物たちとは違った意味で苦しんだり、生きることの喜びを知ったりするのではないでしょうか。とんでもなくお金を儲けてしまった人たちがいます。たとえばアマゾンを創業したジェフ・ベゾスとテスラという車を作っているイーロン・マスク、彼らは二人とも宇宙旅行をめざしているようです。グーグルは医療ベンチャーに投資しています。創業者の一人であるラリー・ペイジによると「健康、福利、長寿」をめざす会社だそうです。面白いのかなあ?ぼくなら好きな人と一緒に餃子でも食べたほうがよっぽどいいと思います。安楽死が合法化されているスイスには、幾つもの自殺ほう助団体があります。ご承知のとおりこの国は、世界でも指折りの富豪たちが住む土地でもあります。いつかツアーで訪れたとき、レマン湖のほとりをバスで走っていたら、ガイドさんが「このあたりには、ヘップバーンのお家があるんですよ」と教えてくれました。ある州では自殺ほう助と安楽死ツーリズムの禁止を求める発議が住民投票で否決された、なんてこともありました。お金持ちが最後に望むことの一つが安楽死ということでしょうか。たくさんお金があって、そのお金で好きなことをしていいと言われると、宇宙旅行と安楽死くらいしか思いつかない。そういう厄介介なところに、人間は来ているのかもしれれません。小説というのは、名前のとおり小さなお話です。この「小さい」には卑近や卑小といった意味もあります。つまり身近で、一見つまらない題材を扱うのが小説です。誰もがやっているありきたりなこと。でも、そのなかには至高や珠玉が隠れている。それを見いだすのが小説だと思うんです。キーワードは「ふたり」だと思います。どんなささやかなことにも「ふたり」が含まれているから、至福の体験になりうる。ロケットで宇宙へなんか行かなくても、好きな人と一緒に餃子を食べようって話です。人が生きていることのなかに「ふたり」という契機があるから、「美美「味しい」という感覚や、「味わう」と八いう体験が生まれるのだと思います。この美味しいを、コンピューターは模倣することはできますが、つくり出して味わうことはできません。なぜなら0と1のアルゴリズムは「ふたり」という仕様になっていないからです。大切な人を亡くしたカンと母親は二人でパンをつくります。焼き上がったパンを、彼らは一緒に食べるでしょう。それは亡くなったトトとカンが、あるいはトトとハハが、ともに味わう「ふたり」でもあるはずです。文芸小説「ふたり」のバックナンバーはこちらから