天理時報2021年12月1日号5面
人に寄り添ってヒューマンストーリーSpecial子育てに悩むお父さん・お母さんに気軽に立ち寄れる〝心休まる場所〟を「本当に困っている人がいるのに、その存在が〝見えない”―」。もどかしさを感じた末吉さんは16年、自ら応募して静岡市の養育支援訪問員(コラム)になった。初めて訪ねた家で出会ったのは、わが子と変わらないほどの年齢で母親になった少女。家の中はごみで溢れ返り、満足に育児ができる環境ではなかった。このほか、さまざまな問題を抱える5人の家庭へ定期的に赴き、家事を手伝い、育児支援を行いながら、それぞれの悩みに寄り添い、心の内に耳を傾けた。「『よしよし』の活動では出会えなかった、深刻な状況にある親と関わる中で、自ら『助けて』と言えない人が大勢いる現状を知ることができた」この経験から支援の幅をさらに広げたいと考えた末吉さんは、独学で保育士の資格を取得。その後、1年に市内の商業施設の一角に「子育て支援センターよしよし」を開所した。同センターには、買い物を終えた母親らが、コロナ前には月に2千人訪現在も人数制限をしながら各種支援事業を行っている。「子育てに困っていても、行政の窓口などには〝敷居の高さ”を感じて相談できず、途方に暮れてショッピングセンターを一人で彷徨っている親がたくさんいる。そんな人が気軽に立ち寄れるような、来てもらいやすい居場所をつくりたかった」常に明るく〝にをい”を末吉さんは時折、市主催の子育て事業などの講師として呼ばれることがある。その際は、自身の身上や子育ての経験をもとに、お道の教えの一端を分かりやすく伝えている。「日々の生活に喜びを感じられないお母さんたちが多い。何げない日常も、感謝の心を持つことで、喜びがたくさん見つかることを伝えている」「よしよし」の活動の傍ら、市の子育て支援事業に携わるなど多忙な日々を送る末吉さんだが、教会日参と月次祭の参拝は欠かさない。15年以上にわたって「よしよし」の活動に協力している小塚ひろみさん(4歳・同教会ようぼく)は、「常に明るく、何事にも前向きな人柄の末吉さんだからこそ、ここまで活動が広がってきたのだと思う」と話す。子育て支援を始めて1年。多くの事業を行っているが、まだまだ支援の受け皿は足りていない。今後、さらに支援センターを増やしたいと考えているとい「子育てに悩む人たちにとって、支援センターが心休まる場所であるために、私自身が常に明るい表情で〝良いにをい”を放つことを心がけている。これからも子育てをしている人に寄り添い、その人らしく子育てできるような活動を続けていきたい」文=島村久生コラム養育支援訪問事業育児ストレス、産後うつ病、育児ノイロリーゼなどの問題により養育支援が必要な家庭を、保健師・保育士などの専門家や子育て経験者が訪問し、相談、指導、助言などの支援を行う事業。個々の家庭が抱える諸問題の解決、軽減を図ることを目的に、各市町村を中心に取り組まれている。男性向けのイベントや産後エクササイズなど、さまざまな子育て支援事業を行っている